【ビーントバーメーカー向け】カカオ豆の虫食い被害と防止策について|2025年までの実績と2026年の新しい防虫対策を紹介します。

【ビーントバーメーカー向け】カカオ豆の虫食い被害と防止策について|2025年までの実績と2026年の新しい防虫対策を紹介します。

ママノのカカオ豆はエクアドルのアマゾンのアグロフォレストリー農園で育ちます。

農薬も化学肥料も使わないオーガニック栽培だからこそ、美味しくて人にも環境にも良いカカオを手にいれることができますが、デメリットもあります。

農薬や駆除剤を使用していないため、豆の中の虫の混入を100%防げているわけではありません。

ママノと現地のパートナー組合が、どのように虫食い被害を防ぐ取り組みを行っているかを、ご紹介させていただきます。


1. 機械選別+手選別による全数チェック

ママノのカカオ豆は、機械での選別に加えて、最終的に人の目による手選別を行っています。すべての豆をひとつひとつ確認し、できる限りきれいな豆だけをお届けするためです。

この工程では虫のチェックも基本的に実施しています。ただし、豆の内部まで入り込んだ幼虫を目視で検出することには限界があります。そこで、次の工程での対策が重要になります。

2. グレインプロバッグ+脱酸素剤による密封管理

通常のカカオ豆輸送では麻袋が使われます。ママノではそこからさらに一歩進め、プロフェッショナル向けの「グレインプロバッグ」に移し替え、必要量の脱酸素剤を封入したうえで、数分以内に封留めを行います。

この密封により、バッグ内に残存する幼虫は酸素を失い死滅します。農薬を使わずに虫の活動を抑える、化学薬品に頼らないアプローチです。

3. 冷蔵コンテナによる約40日間の温度管理輸送

船便での輸送中、高温になると虫の活動が活発化します。ママノはカカオ豆の品質保持のために、業界では珍しく冷蔵コンテナをチャーターし、エクアドルから日本まで約40日間かけて輸送しています。

コンテナ内は常時10〜15℃に保たれます。赤道直下の港から太平洋を渡る長旅でも、急激な温度変化による品質劣化や虫の活性化を防ぎます。

4. 国内倉庫での21℃以下・低温保管

日本国内に入荷したカカオ豆は、21℃以下の定温倉庫で保管しています。この温度帯は虫が活発に活動できる範囲を下回るため、保管中の虫害リスクを最小化できます。


2025年冬:燻蒸処理について

2025年冬に輸入したロットでは、国内倉庫での検査において幼虫が1匹確認されました。このため、国内の専用燻蒸庫にて燻蒸処理が実施されました。

使用薬剤:臭化メチル(メチルブロマイド)

処理の流れは次のとおりです。カカオ豆の袋を密閉できる燻蒸庫にパレットごと搬入し、決められた濃度と時間で臭化メチルガスを注入して害虫・卵を死滅させます。処理後は庫内をしっかり換気し、ガス濃度を安全レベルまで下げてから、検査を経て出荷されます。

安全性について

処理後は十分に換気され、ガスそのものはほとんど残りません。豆の表皮の一部に「臭化物イオン」というミネラルの一種(無機塩)がごく少量残りますが、研究では残留の多くが殻に集中しニブへの影響は低いとされています。国際機関の基準に照らして、通常の食べ方での健康リスクは非常に小さいと評価されています。


2026年からの新しい取り組み:産地でのカカオネット設置

これまでの取り組みは、日本への輸送中・保管中の防虫が中心でした。2026年からはさらに遡り、エクアドルの産地・乾燥工程の段階から虫の侵入と産卵を防ぐアプローチを加えています。

まず、WINAK組合に対して、目の細かいメッシュ素材の防虫ネットを購入・提供・設置しました。

現地でカカオ豆にネットをかけることで、虫が卵を産みつける前の段階から防除します。農薬を使わずに、品質を守るための新たな仕組みです。

このほかにも、産地・輸送・保管の各段階で複数の手法を組み合わせながら、虫害のリスクをさらに低減するための改善を継続的に行っています。想定外の経路からの侵入も含め、あらゆる可能性を検討しながら実施中です。


農薬・化学肥料不使用のオーガニックカカオである以上、虫の完全排除は非常に難しいというのが正直なところですが、何重もの仕組みを重ねながら、みなで努力しているところです。

ママノ江沢