エクアドル現地カカオ講座|カカオの遺伝・品種改良・ホワイトカカオプロジェクトを学ぶ James Quiroz博士 INIAP 2026年5月

エクアドル現地カカオ講座|カカオの遺伝・品種改良・ホワイトカカオプロジェクトを学ぶ James Quiroz博士 INIAP 2026年5月

エクアドルのカカオ研究者による専門講座の映像記録です。ナショナル種の遺伝的特徴からCCN-51の背景、白い種のカカオ、パランダ・センティネラ周辺の品種まで、現地の研究者の言葉で語られています。

主な内容

  • エクアドルカカオの遺伝的多様性
  • ナショナル種とクリオロ種の関係
  • CCN-51と品種改良の背景
  • Motamayor分類とカカオの遺伝グループ
  • Monilia・Escoba de brujaなどの病害への抵抗性
  • カカオの生産性と品質の両立
  • 白い種のカカオ(Palanda・Zumba・Centinela周辺)
  • テオブロミン・カフェイン・ポリフェノール・脂肪分などの品質指標
  • カカオの香り・官能評価・発酵との関係

動画の章立て

時刻を押すと、その場面から再生されます。講座はスペイン語で、英語の通訳が入ります。

  • 0:53 カカオの起源仮説と4つの遺伝グループ
  • 5:00 クリオロとナシオナル、Motamayor 2008の分類
  • 7:51 ナシオナルとマラニョンの近縁性
  • 11:10 エクアドルの遺伝資源コレクション(1940年〜)
  • 21:13 ナシオナル・センテナリオと「アリバ」の由来
  • 26:00 白いカカオの収集(2008年・2024年)
  • 30:10 交配育種と第1世代・第2世代クローン
  • 41:02 病害の生態と剪定の時期
  • 52:04 分子マーカーを育種に使う
  • 1:01:00 生化学指標と官能評価の一致
  • 1:14:06 早熟性、CCN-51×ナシオナル(800・801)
  • 1:27:59 802(アマゾン×アマゾン)、803・804
  • 1:38:33 白いカカオの事業(Palanda・Zumba・Centinela)
  • 1:44:06 カカオリカーの試食(Palanda 1・Palanda 45)
  • 1:58:11 質疑:日本企業との契約栽培
  • 2:02:00 品質の生化学分析と発酵の条件
  • 2:18:31 起源仮説と集団遺伝の解析
  • 2:28:44 チョコレートの試食と質疑:生産性の見通し

発酵・乾燥・品質管理の全体像は「カカオ発酵で香りはどう変わるか。ウィニャック組合の工程と品質管理」にまとめています。

講座で語られた要点

講師はエクアドル国立農牧研究所(INIAP)のJames Quiroz博士です。講座で話された数字と事実を、話された順にまとめました。

  • エクアドルの遺伝資源は約1万5千系統あり、収集は1940年から続いています。
  • 剪定すると45日で新芽と花が出ます。モニリア病が多い1〜4月にポッドが3か月齢を超えているよう、剪定は11〜12月ではなく8〜10月に勧めています。
  • 雨季が続くとモニリア病、雨が15〜20日途切れた後は天狗巣病(エスコバ・デ・ブルハ)が出やすくなります。
  • 分子マーカーを使っても、新しい品種を1つ作るのに20〜25年かかります。
  • 純粋なナシオナルの収量は1ヘクタールあたり1トンを超えず、CCN-51は約2.5トンでした。これがCCN-51とナシオナルを交配した理由です。
  • クローン800は1995年に交配を始め、2016年に公表しました。収量は1ヘクタールあたり約2,740〜3,000kgで、ナシオナルの香りを保っています。
  • 802はアマゾン系どうしの交配で、60ヘクタールの圃場で1ヘクタールあたり3.5トンを記録し、強い日陰でもよく実ります。
  • 脂肪分はナシオナルが48〜49%、CCN-51が最大53%です。Palandaなどの新しいアマゾン系には57〜58%を超えるものがあります。
  • 研究所の微発酵では、48時間後に1回目の切り返しをし、その後は24時間ごとに切り返します。温度は45〜53℃で、乾燥は水分7%までです。
  • Centinelaで集めた30系統は、どれもテオブロミンとカフェインの比が6を下回りました。解析はまだ全体の約1割です。
  • 以前の収量の基準は1ヘクタールあたり500kgでしたが、今は3,000kg以上を目標にしています。

ママノとエクアドルカカオ

ママノチョコレートが使うカカオは、エクアドル・ナポ州の熱帯雨林で先住民キチュア族が伝統的なチャクラ農法によって育てたものです。CCN-51のような品種改良クローンは使わず、この地域に根ざした在来種(ナショナル種)を大切にしています。

今回の動画は、エクアドルのカカオ研究者による現地講座の映像記録です。私たちが大切にしているカカオの遺伝的背景や、サモラチンチペ州のパランダ・センティネラ周辺で見つかる白い種のカカオについても解説されています。

専門的な内容ですが、カカオや産地への理解を深めるための記録として公開します。

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