VANILLABEANS × WIÑAK × MAMANO CHOCOLATE

みんなで育てる
カカオの森プロジェクト

エクアドル・アマゾンの若者31名が、初めて自分のチャクラを持ち、カカオを育てています。

親から譲り受けた0.5haに、313本のカカオ。
2026年は、さらに1人200本を植え足す。

みんなで育てるカカオの森プロジェクトとは、横浜のチョコレートブランドVANILLABEANS(チョコレートデザイン株式会社)が資金を出し、エクアドル・アマゾンのナポ州でウィニャック組合の若者31名が、親から譲り受けた0.5haの土地に初めて自分のチャクラ(伝統的なアグロフォレストリー農園)をつくり、カカオを育てる共同プロジェクトです。現地では「Mi Primera Chakra(私の初めてのチャクラ)」と呼ばれ、2024年に始まりました。

  • VANILLABEANS資金を出し、収穫したカカオをチョコレートにする
  • ウィニャック組合苗づくり、研修、計測を現地で行う
  • ママノチョコレート現地のコーディネートを担当する

参加する若者

31

第1期10名・第2期21名。うち女性22名

配ったカカオの苗

10,503

2024年8月〜2026年8月

苗の生存率

97.5%

2026年7月。9,703本中9,460本

初めてついた実

163

2026年7月。第1期10人中6人の畑

2026年の配布が終わると

31名の畑に 15,903本のカカオ

  • 2024年 第1期 3,130本
  • 2025年 第2期 6,573本
  • 2026年 配布済み 800本
  • 2026年 これから配る 約5,400本

2026年は、31名の畑に1人200本を目安に計6,200本を追加する計画です。追加分は、区画を広げたり、区画の空いている場所に植えたりしています。8月に最初の800本を5名へ届け、苗床で育てている苗(8月時点で5,370本)を順に配っています。配り終えると、2024年からの苗は計画で15,903本になります。

カカオの苗木を手にするプロジェクト参加者の若者

若者が村を離れ、
都市や採掘の仕事へ移っている

ナポ州のキチュアの村では、若者がコミュニティを離れ、首都へ移ったり採掘の仕事に就いたりしています。チャクラからの現金収入では家族を養えないと考えられているためです。ウィニャック組合の代表ネルソンさんは、プロジェクトのきっかけを「若者たちが自分たちの土地を離れ始めたこと」だと話しています。

ナポ州では、森を切り崩して土を掘り起こす違法採掘の現場を道沿いから見ることができ、軍に押収された採掘用の重機が100台以上並んでいる場所もあります。若者が村を離れることは、森とともに暮らすキチュアの知恵の担い手が減ることでもあります。

良いカカオを育てても、買い手が見つからなければ仲買人に安く売るしかありません。このプロジェクトでは、育ったカカオの売り先を最初に決めてから、若者にカカオ栽培を始めてもらいました。参加者は女性の参加を重視して選び、31名のうち22名が女性です。

親から0.5haを譲り受け、
313本のカカオを植える

プロジェクトは、土地、苗、研修、記録、販売の順につながっています。

  1. 自分のチャクラでプロジェクトの看板を持つ若者

    親の土地から0.5haを「自分のチャクラ」にする

    参加する若者は、ウィニャック組合に加盟する親の土地から0.5haを譲り受けます。キチュアの家族では親が土地と農作業を取り仕切り、若者は手伝いに回ることが多いため、自分の区画を持つこと自体が初めての経験です。参加者は、親が組合で活発に活動していることと、本人がチャクラで働きたいと望んでいることを基準に選びました。

  2. 2024年5月、プロジェクトの説明を聞く若者と家族

    育ったカカオの売り先を覚書で決める

    2024年5月6日、第1期の若者10名とウィニャック組合は覚書を交わしました。支援を受けて育ったカカオを、優先的にウィニャック組合(VANILLABEANS向け)に販売するという内容で、書類には親も名前を記しています。

  3. 2026年の苗床で育つカカオの苗

    評価の高い木の種から、組合の苗床で育てる

    種は、風味の評価と収量が高いアリバカカオの木を持つ組合員からカカオポッド(カカオの実)を買い、その中の種を使います。サンディエゴ集荷センターの苗床で育て、約4か月、高さ80cmほどになったら配ります。

  4. 苗を一輪車で畑へ運ぶ様子

    1人313本を2回に分けて届ける

    1人313本を、150本と163本の2回に分けて配ります。チャクラではユカや青バナナ、パイナップルなどもカカオと一緒に植えるため、0.5haに313本が、チャクラを保ちながら収量を最大にできる本数です。2026年は、さらに1人200本を目安に植え足しています。区画を広げたり、区画の空いている場所に植えたりして増やしています。植える前には、その土地が原生林か二次林か、以前のチャクラか牧草地かを調べ、一緒に植える植物を決めます。車の入る場所から畑まで、ぬかるんだ山道を1時間歩いて苗を運ぶこともあります。

  5. 研修に集まった若者たち

    専門の講師から畑で学ぶ

    品種、剪定、病害虫の有機的な対策、土づくり、接ぎ木を、専門の講師から畑で学びます。ほとんどの若者にとって初めての研修です。参加者どうしがお互いの畑を訪ねることで、家族や友人にも技術が広がっています。

  6. 畑でカカオの苗を測り記録する若者

    3〜4か月ごとに測り、報告会で共有する

    植えてから3〜4か月ごとに、各区画の313本から10本を無作為に選び、巻尺で樹高を、ノギスで幹の太さを測ります。枯れた苗はその都度植え直します。区画はGPSで測量して地図にしています。ウィニャック組合は、EUの森林破壊防止規則(EUDR)に対応して、森林破壊に関係しないカカオであることを区画の位置情報で示しています。2026年には若者31名の区画も測り、組合の生産者グループに加えて追跡できる形にしました。区画の図面は有機認証で使うものと同じです。現地責任者のシャキーラさんが記録をまとめ、VANILLABEANS、ウィニャック組合、ママノのオンライン報告会で共有します。

  7. チョコレートを手にする若者

    VANILLABEANSがチョコレートにし、売上が次の苗と研修になる

    収穫したカカオはVANILLABEANSがチョコレートにします。プロジェクトの費用は、VANILLABEANSのプロジェクト対象商品の売上の一部でまかなっています。対象商品を買ったお客さんも、このプロジェクトの参加者です。

お客さんが対象商品を買う苗・研修・記録の費用になる若者のチャクラでカカオが育つVANILLABEANSがチョコレートにする

参加しているのは、
11の集落に住む31名

2024年に第1期の10名、2025年に第2期の21名が加わりました。参加したときの年齢は17〜27歳で、31名のうち22名が女性です。学校や仕事と両立しながら、自分のチャクラを育てています。

第1期 2024年から(10名)

バネッサ、エブリン、ジミー、ジョフレ、ニャンビラ、ロナル、ケイラ、シンディ、シェイラ、サニ

第2期 2025年から(21名)

ケビン、ヒセラ、ジョセリン、ヤシラ、ハリー、ミシェル、レディ、カレン、キャサリン、タニア、クリスティアン、コニー、セイナ、ジョニー、エブリン、ジャイル、ブリジット、エリザベス、カテリン、ウベ、ケリー

  • カシャヤク 8名
  • サンタリタ 4名
  • カルバリオ 3名
  • チャカルミ 3名
  • キンティウルク 3名
  • クリムヨ 3名
  • インチリャキ 2名
  • イタ 2名
  • ルクリャクタ 1名
  • サンマルティン 1名
  • サンラファエル 1名

ウィニャック組合(Asociación Agro Artesanal Wiñak)

2010年にナポ州アルチドナで設立された先住民キチュアの生産者組合です。会員は250名(うち女性66%)、有機認証を受けた生産者は450名。ナポ、パスタサ、オレリャナの3州で60の集落とつながり、チャクラでの生産地975.40ha、保全地3,043.65haを持っています。ママノチョコレートとは、世界で初めてチャクラのロゴ認証を受けた組織どうしです。

このプロジェクトでは、植物の生態に詳しいシャキーラさんがフルタイムの現地責任者を務め、代表のネルソンさん、ビジネス部門のエンリケさんが支えています。2026年には第2期のジョニーさんが組合のスタッフになりました。

2024年、第1期の10名が
最初の3,130本を植えた

第1期は、ナポ州の5つの集落に住む10名(男性3名・女性7名)です。苗床づくりから始め、10月までに1人313本を配り終えました。

  1. 2024年4月、サンディエゴ集荷センターで苗床の枠を組む

    サンディエゴ集荷センターを片づけ、10m×15mの苗床を建てました(最大8,000株)。4月から6月にかけて、組合員の木から採ったカカオポッド155個、種4,655粒をまき、3,598本が育ちました。大雨と気候の変化で枯れた苗もありました。

  2. 第1期の10名と覚書を交わしました。

  3. 2024年5月21日の開始式に集まった若者と関係者

    開始式「Mi Primera Chakra」を開き、90名が集まりました。日本からはVANILLABEANSのスタッフ2名、FAOの世界農業遺産委員会で委員長を務めた八木教授、ママノの江沢が参加し、ジミーさんのチャクラで苗を植えました。植える前には親と子が向かい合い、子が親の指を何度か引いて力を受け取ります。子がマチェテで土を掘って苗を植えると、親が葉で苗を軽くはたきながらキチュア語で言葉を唱え、強く育つよう願います。

  4. 2024年6月、資材キットを受け取った第1期の若者

    研修を始め、長靴、作業着、リュック、剪定ばさみ、研ぎやすり、マチェテ、帽子を配りました。最初の研修は、有機カカオ栽培の入門、栽培管理、病害虫の管理、区画の位置記録の4テーマです。

  5. 2024年8月、配布するカカオの苗を手にする若者

    1回目の配布。1人150本、計1,500本を届けました。

  6. 最初の畑の計測。1,500本のうち1,484本が根づき、平均樹高は32〜40cmでした。

  7. 2回目の配布。1人163本、計1,630本を届け、第1期の配布は3,130本になりました。

  8. 2回目の計測。1人あたりの生存率は95〜98%、平均樹高は46〜67cmでした。

2024年の苗床の播種記録。種は組合員の評価の高い木のカカオポッドから採った。出典: ウィニャック組合 2024年10月報告書
播種日 カカオポッド 枯れた苗 育った苗
2024年4月14日 22個 700粒 75本 625本
2024年4月19日 74個 2,030粒 325本 1,705本
2024年4月24日 39個 1,045粒 250本 795本
2024年4月26日 1個 30粒 25本 5本
2024年5月24日 4個 106粒 25本 81本
2024年6月12日 8個 400粒 181本 219本
2024年6月22日 7個 344粒 176本 168本
合計 155個 4,655粒 1,057本 3,598本

2025年、第2期の21名が加わり
6,573本を配った

第2期は、10の集落に住む21名(男性6名・女性15名)です。第1期の畑の管理を続けながら、苗づくり、研修、配布を並行して進めました。

  1. VANILLABEANSの支援で、野生カカオが自生する森のコミュニティに発酵乾燥センターを建てました。車の入らない遠い森で採れた少量のカカオも、その場で発酵・乾燥して保管できるようにするためです。

  2. オンライン報告会で、第1期の3,130本のうち3,042本が育っていることを共有しました。

  3. 2025年の苗床に並ぶカカオの苗

    苗床づくりの共同作業(ミンガ)を3回行い、17名、23名、29名が参加しました。苗床では4,675本を育てました。

  4. 2025年5月のワークショップで第2期の若者が期待を書いた付箋

    VANILLABEANSのスタッフ2名とママノの江沢が訪問しました。ワークショップで第2期の若者と期待を出し合い、翌日は一緒に植樹しました。

  5. 第2期21名の区画を選び、植生を調べました。21区画のうち10区画は森林のままの土地です。21区画をGPSで測量した面積は合計15.5haでした。

  6. 研修を6回開きました。栽培管理(27名)、土の栄養と持続性(23名。灰汁や微生物資材を自分たちで作る)、有機カカオの適正農業規範(35名)、栽培慣行(25名)、病害虫(28名。モニリア病、天狗巣病など)、チャクラモデルによる区画設計(65名)です。知識テストの平均点は64%から78%に上がりました。

  7. オンライン交流会。VANILLABEANSから11名、現地の若者約8名が参加しました。若者からは、剪定と接ぎ木の研修を続けてほしい、他の地域のチャクラを見てみたい、カカオがチョコレートになるまでを知りたいという声が出ました。

  8. 2025年9月、第2期の若者へ苗をトラックで運ぶ

    第2期の1回目の配布。3,802本を届けました。

  9. 現地責任者のシャキーラさんが、国連気候変動会議の準備会合Pre-COP30でこのプロジェクトを発表しました。

  10. 若者の畑で育つ落花生

    第2期の2回目の配布。2,771本を届け、第2期の配布は21名×313本の6,573本になりました。同じ月、若者9名が225㎡の畑で落花生を育て始めました。

  11. 第1期の木は、1回目の計測で35cmだった平均樹高が124cmまで伸び、4分の3の株が3〜4本に枝分かれしました。

2026年、第1期の木に
初めての実がついた

3年目は新しい参加者を増やさず、31名の畑の管理と研修、次の苗づくりに集中しています。

  1. 若者との対話会を開き、40名(うち若者25名)が参加しました。オンライン報告会では、区画の位置を記録したうえで、31名を「森林破壊のないカカオ」の生産者グループに入れたことが報告されました。

  2. 2026年、苗床の袋に詰める培土をつくる共同作業

    次の苗づくり。培土を詰めた袋は3回の作業で6,500袋になりました。

  3. 2026年5月、2024年に植えた木についたカカオの実

    VANILLABEANSのスタッフとママノが訪問しました。苗床とケイラさんのチャクラを訪ね、2024年に植えた木に実がついているのを確かめました。13日の植樹式には、平日で学校のある若者も多いなか19名が参加しました。ウィニャック組合のスタッフになった第2期のジョニーさんが発表し、VANILLABEANSのチョコレート6〜7種をみんなで試食しました。その後、サニさんのチャクラで今年の苗を一緒に植えました。

  4. 2026年7月、畑でカカオの木の生育を確かめる

    成長と枯死の調査で31名全員の畑を回り、82名が参加しました。第1期の平均樹高は115.69cmで、剪定したため前年より少し下がりました。第2期は82.42cmです。第1期では10人中6人の畑で、49本の木に計163個の実がつき、153本に花が咲いていました。

  5. 研修1「カカオの農業管理」(16名)。26問の事前診断で弱点を確かめてから講義を行いました。接ぎ木に向く株を485本確認しました。

  6. 2026年7月、UNOCACEを訪ねた若者たち

    若者がミラグロ郡のカカオ組合UNOCACEを訪ね、組織づくり、世代交代、収穫後の処理、販売、品質基準、認証について学びました。

  7. 2026年8月、追加で配る苗を受け取った若者

    研修2「土壌の栄養」(23名)で、ボカシ肥料と生物由来の殺虫剤を作りました。苗床から選んだ800本を、第1期と第2期の5名に追加で配りました。苗床の5,370本も、年内に順に配ります。

  8. オンライン報告会で、シェイラさんの畑で熟した実を初めて1個収穫したと報告がありました。

3年間の研修で、
土づくりから接ぎ木まで学ぶ

ほとんどの若者にとって初めての研修です。専門の講師が畑で教え、自分たちで資材を作り、ほかの組合も訪ねます。

2025年の研修で生物由来の資材を作る若者
2025年 生物由来の資材づくり
2025年の研修でチャクラの区画設計を発表する若者
2025年 チャクラの区画設計
2026年8月の研修でボカシ肥料をつくる
2026年8月 ボカシ肥料づくり
参加者数は各回の報告書による。出典: ウィニャック組合の各報告書
時期 研修 内容 参加
2024年6月〜 第1期の研修 有機カカオ栽培の入門、栽培管理の実践、病害虫の管理、区画の位置記録(GPS) 第1期の若者
2025年 ① 栽培管理 カカオの一生、育苗、植え付け、持続的な管理 27名
2025年 ② 土の栄養と持続性 土の種類と質感を畑で確かめ、灰汁、生物由来の殺虫剤、山の微生物の3種類の資材を作る 23名
2025年 ③ 有機カカオの適正農業規範 有機栽培で守る作業の基準 35名
2025年 ④ 栽培慣行 日々の管理作業 25名
2025年 ⑤ 病害虫 モニリア病、天狗巣病、黒果病などの見分け方と対処 28名
2025年 ⑥ チャクラモデルによる区画設計 カカオと一緒に植える作物や木の配置 65名
2026年4月 若者との対話会 チャクラでの経験を語り合い、先輩のチャクラを見学 40名(若者25名)
2026年7月 研修1 カカオの農業管理 26問の事前診断のあと、生理と生育、定植、開花と花芽の管理、持続可能性とチャクラ、接ぎ木などの無性繁殖 16名
2026年7月 ほかの組合を訪ねる ミラグロ郡のカカオ組合UNOCACEで、組織づくり、世代交代、収穫後の処理、販売、品質基準、認証を学ぶ 若者
2026年8月 研修2 土壌の栄養 ボカシ肥料と生物由来の殺虫剤を作る 23名
2026年(予定) 研修3・研修4 適正農業規範と病害虫、剪定と接ぎ木。各チャクラで接ぎ木を実習 -

2025年の研修の前後で行った知識テストでは、平均点が64%から78%に上がりました。2026年7月には、接ぎ木に向く株を485本確認しています。参加者どうしがお互いの畑を訪ねることで、家族や友人にも技術が広がっています。

配った苗の生存率は94〜98%

毎年の調査で、配った苗のうち何本が育っているかを数えています。枯れた苗は植え直しています。

出典: ウィニャック組合「2026年 苗木の成長・枯死状況報告」(2026年7月)。生存率は各期の配布本数に対する割合
期(配布本数) 2024年 2025年 2026年
第1期(3,130本) 94%(2,959本) 97%(3,040本) 98%(3,090本)
第2期(6,573本) - 96%(6,322本) 97%(6,370本)
合計(9,703本) - 96%(9,362本) 97.5%(9,460本)

ママノのエクアドル代表ウリは、苗床を使わず種を畑に直接まいた場合、育つのは3割ほどだと話しています。

各区画の313本から10本を無作為に選び、樹高を巻尺で、幹の太さをノギスで測った平均値。第1期の2026年は剪定後の値。出典は上の表と同じ
計測 平均樹高 平均幹径
第1期 2024年 1回目 35.44cm 0.99cm
第1期 2024年 2回目 55.96cm 1.79cm
第1期 2024年 3回目 75.87cm 2.58cm
第1期 2025年 4回目 119.70cm 5.10cm
第1期 2025年 5回目 124.28cm 5.15cm
第1期 2026年 6回目 115.69cm 5.94cm
第2期 2025年 1回目 28.38cm 1.18cm
第2期 2025年 2回目 54.23cm 1.29cm
第2期 2026年 3回目 82.42cm 1.70cm

第1期10名の畑(2026年7月)

313本ずつ植えた第1期の畑を、一人ひとり測りました。10人中6人の畑で実がつき、シェイラさんの畑では9月に熟した実を初めて1個収穫しました。

樹高は各年の平均。2026年は剪定後の値。出典: ウィニャック組合「2026年 苗木の成長・枯死状況報告」
名前 育っている木 樹高 2024 樹高 2025 樹高 2026 花の咲いた木 実のついた木 実の数
バネッサさん 308本 49.95cm 104.55cm 131.6cm 5本 0本 0個
エブリンさん 310本 47.1cm 104.1cm 112.15cm 15本 10本 40個
ジミーさん 303本 41.55cm 84.45cm 101.85cm 20本 0本 0個
ジョフレさん 313本 45.95cm 89.2cm 116.05cm 10本 0本 0個
ニャンビラさん 308本 41cm 74.8cm 105.75cm 3本 1本 1個
ロナルさん 312本 49.45cm 110.25cm 126.8cm 30本 15本 35個
ケイラさん 310本 38.7cm 95.25cm 111.9cm 5本 2本 3個
シンディさん 303本 53.7cm 119.95cm 149.35cm 10本 1本 4個
シェイラさん 310本 42.55cm 94.5cm 112.5cm 40本 20本 80個
サニさん 313本 47.05cm 100.8cm 131.9cm 15本 0本 0個
合計 3,090本 - - - 153本 49本 163個

第2期で最も背が高いのはヤシラさんの畑の木で、2026年7月の平均は112.1cmでした。

病害、天候、道のり。
現場で起きたことと対処

アマゾンでは雨が多く、植物も病害虫も育つのが早い土地です。起きたことは報告書に残し、次の対処につなげています。

出典: ウィニャック組合の各報告書、オンライン報告会の記録(2024〜2026年)
時期 起きたこと 対処
2024年 大雨と気候の変化で、苗床で発芽中の苗が枯れた カカオポッドを追加で集め、まき直した
2025年 天狗巣病。古いカカオの木から風と雨で苗に移る 病気の枝を切る衛生剪定
2025年 葉焼け、生育の遅れ 堆肥を施す
2025年 アリの食害 灰汁の散布と畑の清掃
2025年 雨が多すぎて苗床の台が湿り、葉に斑点が出た 台を小石の土台に変えた
毎年 植えた苗の一部が枯れる 土の状態を確かめて植え直す
2026年 第2期の小さな苗が、コオロギなどの害虫と日陰の不足で枯れやすい 苗床で大きさ、樹高、幹の太さを見て選んでから配る
2026年 天候で畑の訪問日程が崩れる。学校や仕事で研修に来られない若者がいる 日程を組み直して全員の畑を回る

若者の暮らしの課題も残っています。畑は道から2〜3km離れていることがあり、乾燥豆の約3倍の重さがある生の豆を肩で担いで運び出します。2026年9月の報告会では、道路が傷んで車が入れないこと、カカオだけではまだ生活を支えきれないことが話されました。2025年11月からは若者9名が落花生も育てています。主に家族の食料と地元での販売にあてるためです。

VANILLABEANSのスタッフが
毎年5月に現地を訪れる

VANILLABEANSでは、販売、製造、経営など部門の違うスタッフが毎年2名ずつ現地を訪れ、若者と一緒に食事をし、山を登り、畑を見て回ります。日本の店舗から農家へのありがとうのメッセージを動画にして、現地で流しています。

2024年5月

  • 5/20 ウィニャック組合を訪問
  • 5/21 開始式、ジミーさんのチャクラで植樹
  • 5/22 カヤリ組合を訪問
  • 5/23 ワークショップ、カカオの買い付けを見学
  • 5/24 キトへ

2025年5月

  • 5/12 第2期の若者とのワークショップ
  • 5/13 植樹と若者の畑の訪問
  • 5/14 野生カカオの森へ
  • 5/15 アリグアユサ組合、ウィトカを訪問
  • 5/16 ホームステイ

2026年5月

  • 5/12 苗床と、実をつけた第1期の畑を訪問
  • 5/13 植樹式(若者19名が参加)、チョコレートの試食
  • 5/13 サニさんのチャクラで植樹
2026年5月の植樹式のあと、苗を植える若者
2026年5月13日 植樹式のあとの植樹
2026年5月、若者が試食したチョコレート
2026年5月 若者が試食したチョコレート

オンラインでも、日本とアマゾンをつなぐ

  1. 第1期の苗の生存と、GPSで作った区画の地図を共有しました。

  2. VANILLABEANSから11名、現地の若者約8名が参加し、畑の様子や暮らし、気候の変化について話しました。若者からは、自分たちのカカオから作ったボンボンやバーを食べてみたい、雨よけのポンチョや疲れにくい剪定ばさみがあると助かる、という声も出ました。

  3. 第2期21名への配布を終えたことと、苗床の湿害への対処を報告しました。

  4. 2025年の研修の成果と、31名を「森林破壊のないカカオ」の生産者グループに入れたことを報告しました。

  5. 苗床、研修、第1期の畑での初めての収穫を報告し、若者とVANILLABEANSのスタッフが質問を交わしました。

「特にお客様が現地を訪問してくれることが、若者のやる気をさらに引き出しています。」

ネルソンさん(ウィニャック組合 代表)、2025年のインタビューより

2025年7月の交流会では、第1期のエブリンさんが日本の店舗スタッフに向けて、チョコレートにはアマゾンとウィニャックの人々の物語があり、家族のために働く人たちがいることを伝えてほしいと話しました。

若者たちの声

プロジェクト3年目を迎えた若者たちに話を聞きました。

前は農業がそんなに好きではありませんでした。でも、やってみたらすごく美しいものだと感じました。今は、両親のように農業を続けていきたいです。

エブリンさん(第1期)

親たちは植え方を知っています。でも、僕はもっと技術的に学びたいです。今も学んでいるし、これからもこのプロジェクトで学び続けたいです。

ジミーさん(第1期)

大変なのは、カカオをきれいに管理するための掃除です。でも、家族みんなで一緒に作業して、ミンガをして、家族の時間を持てることが一番いいところです。

サニさん(第1期)

カカオの文化がなくならないでほしいです。祖先から受け継いできたものが、これからも続いて、もっと育っていってほしいです。

シンディさん(第1期)

害虫や病気と向き合うのは大変です。でも、どんな問題にも解決策があると思います。だから私たちは成長し続けられます。

バネッサさん(第1期)

両親もカカオを育ててきました。だから僕たちも同じ道を歩いて、自分たちのカカオを世界のいい市場に届けたいです。

ジョニーさん(第2期)

前は、私たち若者にはカカオをどう扱えばいいのか、技術がありませんでした。でも研修を受けて、今はもっと自信を持って管理できるようになりました。

エリザベスさん(第2期)

前は、害虫や病気が来たときにどうしたらいいのか分かりませんでした。でも今は、化学薬品を使わずに自然な方法で守るやり方を学びました。

ヤシラさん(第2期)

ここで学べることが本当に嬉しいです。植物が花を咲かせて、元気に育っているのを見ると、すごく幸せな気持ちになります。

コニーさん(第2期)

一番大変なのは、太陽の下で働くことです。でも、自然とつながっている感じがします。僕たちは毎日の暮らしのために、チャクラで働いています。

ハリーさん(第2期)

カカオは、ずっと昔から続いてきた美しい文化です。一番うれしいのは、カカオの実を収穫するときです。

クリスティアンさん(第2期)

第1期のロナルさんに聞く(2025年)

初めてプロジェクトへの参加を知ったときの気持ちは?
嬉しかったけど少し緊張しました。でも誇らしい気持ちで前に進もうと思いました。
最初に植えたものは?
カカオの苗です。最初の日に50本植えて、その後どんどん増やしました。
チャクラを持って一番嬉しいことは?
緑の苗が育っていくのを見ることです。枯れた枝を切り、手入れしながら成長させていくことに喜びがあります。
5年後の農園はどうなっていてほしいですか?
大きく育ったカカオの木がたくさんあって、生産量も増え、さらに手入れを続けてより良くなっていると思います。
「田舎は稼げない」と思う若者に一言
ちゃんと手入れすれば田舎は稼げます。剪定、清掃、幹を傷つけないこと、維持管理をしっかりすれば想像以上の成果があります。
あなたのチャクラを一言で表すなら?
私のチャクラは、心と体と魂を調和させる生命エネルギーの中心です。

チャクラ・コーポレーションが制作したインタビュー動画「語りかける根」の日本語訳より。記事で全文を読む

ウィニャック組合の声

今は10人の若者かもしれませんが、来年は50人、100人と増えていくことを願っています。

ネルソンさん(代表)、2024年5月の開始式で

私たちはまず活動的な組合員を見て、本当にチャクラで働きたい若者を選びました。文化的なアイデンティティが少しずつ失われつつある中、若者の参加はとても重要です。

ネルソンさん(代表)、2025年のインタビューで

このプロジェクトは、ウィニャックにとって重要な3つのポイントに焦点を当てています。一つ目は若者と女性の参加を促すこと、二つ目はチャクラシステムの生産を促進すること、そして三つ目は経済的な収入の機会を作り出すことです。

シャキーラさん(現地責任者)

チャクラは2023年に
FAOの世界農業遺産に認定された

チャクラは、キチュアの家族が森の中でカカオ、ユカ、バナナ、果樹などを一緒に育てる伝統的なアグロフォレストリーです。2023年、国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定されました。2025年7月の交流会でママノのエクアドル代表ウリは、季節の移り変わりが読めなくなっているなかで、背の高い木が日差しをさえぎる多層のチャクラは、単一栽培の畑より気候の変化の影響を受けにくいと話しています。チャクラについてはアマゾンのチャクラカカオのアグロフォレストリーのページで詳しく紹介しています。

ナポ州の森の林冠
チャクラで収穫した落花生

VANILLABEANSが
このプロジェクトに取り組む理由

横浜のVANILLABEANSは、創業25年を超えるチョコレートブランドです。現地で一緒に取り組んできたママノから見ると、このプロジェクトを始めた理由は大きく4つあるのではないかと考えています。

チョコレートに関わるすべての人が幸せでいられる仕組みをつくる

VANILLABEANSは「チョコレートで世界の幸せをデザインする」という理念を掲げ、原産国の人も食べる人も作る人も、チョコレートに関わるすべての人が笑顔になれるような仕組みづくりを目指しています。早くからフェアトレードのチョコレートを導入し、ガーナでの学校建設や農家支援を続けてきました。カカオ栽培のより源流での支援や、気候変動のようにカカオ農家に大きく影響する課題へ目を向けたのは、その歩みの延長にあると感じています。

エクアドルのカカオの魅力を、お客さんにもっと届ける

VANILLABEANSは以前から、エクアドルの華やかな香りのカカオを商品づくりに使ってきました。支える産地のカカオで、お客さんにもっと喜んでもらえるチョコレートをつくりたい。その思いが、エクアドルでのプロジェクトにつながったのだと思います。

自分たちが支えた農家のカカオで、チョコレートをつくる

カカオ豆からチョコレートをつくるブランドにとって、最も大切な原料はカカオ豆です。農家を選び、初めての農業のきっかけをつくり、苗を配り、技術を支え、毎年訪ねて、初めての収穫をともに喜ぶ。自ら支えた農家の豆でチョコレートをつくることは、チョコレートをつくる人にとって、ひとつの夢なのかもしれません。

産地と、長く続く関係を育てる

2024年にカカオの価格が大きく上がったとき、ママノは現地で、組合が苦労して集めた良質な豆が、長く関係を築いてきた企業から先に届けられていく様子を見てきました。同じ品種や産地でも、実際の品質には差があります。このプロジェクトでは、若者と組合が、育ったカカオを優先的にVANILLABEANSへ届けることを覚書で約束しています。苗を植えるところから一緒に歩んできた若者たちが育てるカカオです。

2027年から収穫が始まり、
2033年に乾燥豆8〜16トンの見込み

樹齢ごとに1本の木がつける実の数を、保守的な場合と多い場合の2通りで見積もりました。2027年は第1期の木だけが実り、乾燥豆で約250〜330kgです。

  • 保守的な予測
  • 最大の予測まで
2027 約250〜330kg
2028 約940〜1,190kg
2029 約2,020〜2,690kg
2030 約3,450〜4,730kg
2031 約5,580〜7,930kg
2032 約7,600〜11,810kg
2033 約8,420〜16,020kg
  • 乾燥豆は、発酵と乾燥を終えて輸出できる状態の豆です。収穫量の予測で、実際に調達できる量ではありません。収穫後や発酵・乾燥のロス、家庭での消費、組合への納入率は含みません。
  • 前提: 植えて3年目から収穫、実1個あたり乾燥豆30g、木の生存率98%、病害による実の損失10%。1本の実の数は現地の見積もりで、樹齢3〜9年に保守的な場合で3〜20個、多い場合で4〜50個です。
  • 2026年に配っている約6,200本(計画)を含みます。2033年の予測のおよそ3分の1はこの苗の分です。
  • いちばん読みにくいのは初めの数年です。2026年7月の時点で実がついていた木は、第1期3,090本のうち49本(1.6%)でした。

出典: ママノ「乾燥カカオ豆の収穫予測」(2026年9月、現地の樹齢別見積もりをもとに作成)

このプロジェクトのカカオで、
若者1人あたりに生まれる売上の見込み

このプロジェクトで植えたカカオから、若者に新しく生まれる売上の見込みです。収穫量の予測に、2026年の買付価格を掛けて出しました。2027年は実がなるのが第1期の木だけなので10名で、2028年からは31名で割っています。

乾燥豆1kgあたり3.00〜3.45ドルで計算。2026年3〜5月の買付価格(生の豆1kgあたり1.00〜1.15ドル)を、生の豆3kgで乾燥豆1kgとして換算した値です。費用を引く前の売上で、カカオと一緒にチャクラで育てるユカやバナナ、落花生などの収入は含みません。出典: ママノ「乾燥カカオ豆の収穫予測」農家の収入予測(2026年9月)
収穫できる若者 1人あたりの年間売上
2027年 10名 約80〜110ドル
2028年 31名 約90〜130ドル
2029年 31名 約200〜300ドル
2030年 31名 約330〜530ドル
2031年 31名 約540〜880ドル
2032年 31名 約740〜1,310ドル
2033年 31名 約810〜1,780ドル

低い見込みは保守的な収穫量に低い価格を、高い見込みは最大の収穫量に高い価格を掛けています。価格は相場で変わります。

動画で見る3年間

開始式から植樹、若者へのインタビュー、2期目の視察まで。ママノのYouTubeで公開している動画です。

2024年

開始式 Mi Primera Chakra(2024年5月21日)
植樹式(2024年5月)
第1期の若者へのインタビュー(2024年)

2025年

野生カカオの森のコミュニティに発酵乾燥センターを建設(2025年2月)
VANILLABEANS 2期目のエクアドル視察(2025年5月)
チャクラ・コーポレーションによるインタビュー 日本語字幕(2025年)
Pre-COP30での発表(2025年10月)

関連

チャクラと世界農業遺産について 八木信行教授に聞く(2023年)

ママノチョコレートのYouTubeチャンネル

よくある質問

みんなで育てるカカオの森プロジェクトとは何ですか?

横浜のチョコレートブランドVANILLABEANS(チョコレートデザイン株式会社)が資金を出し、エクアドル・アマゾンのナポ州でウィニャック組合の若者31名が、親から譲り受けた0.5haの土地に初めて自分のチャクラをつくり、カカオを育てるプロジェクトです。2024年に始まりました。現地では「Mi Primera Chakra(私の初めてのチャクラ)」と呼ばれています。

誰が参加していますか?

プロジェクトオーナーと資金提供はVANILLABEANS、現地での実施はウィニャック組合、現地のコーディネートはママノチョコレートとNPO法人ママノアマゾニアが担っています。畑を持つのは、ウィニャック組合に加盟する家族の若者31名です。

参加している若者はどんな人たちですか?

ナポ州の11の集落に住むキチュアの若者31名です。2024年に第1期の10名、2025年に第2期の21名が参加しました。参加したときの年齢は17〜27歳で、31名のうち22名が女性です。

カカオの苗は何本配られましたか?

2026年8月までに10,503本です。1人313本を2回に分けて配り、2024年に第1期へ3,130本、2025年に第2期へ6,573本を届けました。2026年は1人200本を目安に計6,200本を追加する計画で、追加分は区画を広げたり、区画の空いている場所に植えたりしています。8月に最初の800本を5名に配りました。配り終えると、計画で15,903本になります。

苗はどれくらい育っていますか?

2026年7月の調査では、第1期・第2期に配った9,703本のうち9,460本が育っていて、生存率は97.5%でした。第1期の木の平均樹高は115.69cm、第2期は82.42cmです。第1期では10人中6人の畑で、49本の木に計163個の実がついていました。

カカオはいつ収穫できますか?

2026年に第1期の一部の木で実がつき、9月には熟した実を初めて1個収穫しました。まとまった収穫は2027年からの見込みで、乾燥豆で2027年に約250〜330kg、2030年に約3,450〜4,730kg、2033年に約8,420〜16,020kgと予測しています。収穫量の予測で、実際に調達できる量とは異なります。

プロジェクトの費用はどこから出ていますか?

VANILLABEANSのプロジェクト対象商品の売上の一部です。対象商品を買ったお客さんも、プロジェクトを支える参加者になります。

企業として同じような取り組みを相談できますか?

ママノチョコレートは、このプロジェクトの現地コーディネートを担当しています。エクアドル・アマゾンの組合と一緒に、産地へ関わる形を検討したい企業の方は、お問い合わせページからご相談ください。

お客さんも、カカオの森プロジェクトの仲間です

VANILLABEANSのプロジェクト対象商品を買うと、その売上の一部がエクアドルの若者の苗と研修になります。若者たちが育てたカカオのチョコレートを、一緒に待っていてください。

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同じような取り組みを考えている方へ

ママノチョコレートは、このプロジェクトの現地コーディネートを担当しています。ナポ州のウィニャック組合とは、チャクラで育ったアリバカカオの取引を長く続けてきました。エクアドル・アマゾンの産地との関わり方について、ご相談をお受けしています。

ご相談はお問い合わせページから。カカオ豆の仕入れは業務用・卸のページ、アリバカカオについてはアリバカカオの解説をご覧ください。