YOUTUBE公開:国連FAO認定の『世界農業遺産』とは?/エクアドルアマゾンのチャクラシステムとは?/八木教授にインタビュー!

YOUTUBE公開:国連FAO認定の『世界農業遺産』とは?/エクアドルアマゾンのチャクラシステムとは?/八木教授にインタビュー!

国連FAO認定の『世界農業遺産』とは?/エクアドルアマゾンのチャクラシステムとは?/八木教授にインタビュー!

動画の章立て

時刻を押すと、その場面から再生されます。

  • 0:12 はじめに
  • 0:37 世界農業遺産とは
  • 3:10 八木教授と選定委員会
  • 4:36 チャクラの申請と審査の流れ
  • 6:31 チャクラが評価された点
  • 8:00 1980年代の大規模農業の弊害
  • 10:25 世界農業遺産の評価項目
  • 11:13 農薬・化学肥料を使わない伝統
  • 12:38 機械化と組合ごとの違い
  • 15:20 認定が地元にもたらすもの
  • 17:13 日本の消費者にとっての意味
  • 18:07 チャクラ認証と農産物の価値
  • 21:51 小規模農家の収入と課題
  • 23:19 日本とエクアドルの農業遺産

動画の内容

世界農業遺産はFAOが認定する制度

世界農業遺産は、国連の農業機関であるFAOが認定する制度です。対象は100年、200年と続き、機械をあまり使わず手をかけて作物を育てている場所です。日本の例として山梨県のぶどうが挙がり、棚を組んで育てる方法が湿気の多い日本の気候に合わせた独自の農法として紹介されています。

八木教授と選定委員会

八木教授は2016年ごろ農林水産省の国内選定の委員会に加わり、2019年にFAOの選定委員会の委員になりました。2022年は委員長を務めました。審査には1年から1年半ほどかかり、委員会は年に2〜3回しか開かれません。コロナ禍の時期はオンライン会議で議論が進みにくく、2021年以降はローマに集まって審議を再開しました。

チャクラが評価された点

エクアドルアマゾンのチャクラシステムでは、伝統的であることに加え、地元の農家が組合で相談しながら自主的に運営していること、地元で作った作物であること、手作業に近い丁寧な農作業が評価されました。評価の項目は、農業が今も農家の暮らしを支えていること、生物多様性、伝統文化と伝統知識、伝統的な景観を守ることです。チャクラは農薬や化学肥料を使った時代がなく、そのことも伝統の一部として含まれていると八木教授は述べています。

1980年代は大規模な機械化と化学肥料が良い農業とされましたが、単一の作物を育てると生物多様性が損なわれ、肥料が海へ流れて赤潮の原因にもなりました。そうした弊害をなくすために小規模農家の伝統的な方法を守る、というのが制度の出発点です。

機械化とのつきあい方

ウィニャックの組合は、手で持てる道具だけを使うという決まりを持っています。より大きな組合には、機械の導入を検討しているところもあります。狭い土地でさまざまな作物をモザイク状に育てるチャクラでは、機械を入れる利点がもともと多くありません。一方で後継者がいない、若者が都市へ出るといった問題は日本と同じで、ある程度の機械化で担い手を保ちつつ、伝統が失われないバランスが必要だと八木教授は話しています。

認定が地元と日本の消費者にもたらすもの

地元にとっての意味は二つあります。当たり前にしてきたことが世界に知られて農産物の販売の助けになること、そして組合の中の結びつきが強まることです。日本でチョコレートを食べる人にとっては、世界農業遺産の産地のものを選ぶことが現地の伝統的な農業を支えることになります。

ただし、認証があれば農産物の値段が上がるとは限りません。有機農産物は消費者が自分や家族のことと身近に感じるため高くても買われますが、遠い場所の環境をうたう認証は他人事になりやすく、高い値段が払われにくいという研究があると八木教授は説明しています。そのため、環境への配慮に加えて、目に見える小規模農家の暮らしを支えるという点を伝えることが訴求になると話しています。

 

2023年8月、東京大学の八木信行教授にお話を伺いました。

八木教授は世界農業遺産を認定する組織のメンバーで、委員長を務めていた経験があります。

2023年2月にエクアドルアマゾンのチャクラシステムは世界農業遺産に認定されましたが、認定までのプロセスで八木教授はチャクラシステムについての理解を深められています。

日本ではまだエクアドルアマゾンのチャクラシステムを知っている人が少ない中、伝統農法を守っていくことの大切さを知る教授にお話を公開することで、少しでも世界農業遺産や、エクアドルアマゾンのチャクラシステムについて理解、賛同してくれる仲間が増えてくれれば嬉しいです。

★八木教授プロフィール
東京大学農学部卒、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)課程修了。東京大学博士(農学)取得。1987年農水省入省。2008年東京大学大学院特任准教授、2011年東京大学大学院准教授、2017年より現職。最近は農林水産物のマーケティングや、ツーリズムを利用した農村漁村の活性化などを研究している。日本水産学会理事、日本学術会議連携会員、国連食糧農業機関(FAO)世界農業遺産(GIAHS)プログラムの科学アドバイザリー会合委員(2019-2022年)なども務める。2019年カンボジア王国友好勲章(Royal Order of Sahametrei)受賞。近著は「水産改革と魚食の未来」恒星社厚生閣など。

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