エクアドル・ナポ県のチャクラでカカオポッドを開ける生産者と江沢コータロー ナポ県のキチュアの人が管理するチャクラのカカオ畑 木箱で発酵させるカカオ豆

CACAO ARRIBA · NACIONAL · CCN51

アリバカカオとは。ナショナル種・CCN51との違いとエクアドル産カカオの選び方

香りの名前と、遺伝的な分類と、栽培品種は同じ言葉ではありません。

アリバは、香り高いエクアドル産カカオを示す商業上の呼び名です。ナショナルは遺伝的な分類の一つで、CCN51はナショナルとは別の栽培品種です。名前だけで原料の中身を決めつけず、栽培地、系統、発酵・乾燥、ロットを分けて確認することが、チョコレートづくりにも業務用原料の選定にも欠かせません。エクアドル・アマゾンでカカオを買い付け、発酵乾燥と品質管理に取り組んできたママノが、混同されやすい言葉を整理します。

アリバ表示から分かること/分からないこと

「アリバ」は、エクアドルで香りのよいカカオを指して使われてきたコマーシャルネームです。エクアドル政府は「Cacao Arriba」を地理的表示として保護しており、香りや風味、産地と製造の条件を含めて扱っています。アリバと表示されていれば、香りを大切にするエクアドル産カカオとして選ばれていることは読み取れます。

一方で、アリバという表示だけでは、遺伝的な系統、どの地域の豆か、農園の栽培方法、発酵・乾燥の条件までは分かりません。同じアリバでも、地域や栽培環境、収穫後の工程によって香りは変わります。「アリバ=一つの品種」ではないことが、原料を理解する最初のポイントです。

アリバ

香り高いエクアドル産カカオを指す商業上の呼び名。地理的表示の対象でもあります。

ナショナル

遺伝的な分類の一つ。ナショナル系統、またはナショナル種と呼びます。

CCN51

ナショナルとは別の栽培品種。名称と遺伝的分類を混同しないことが必要です。

エクアドル産チョコレート全体の味や選び方は、エクアドル産チョコレートとはで、産地・発酵・焙煎も含めて紹介しています。

ナショナル系統の多様性

ナショナルは、アリバという呼び名の中身を考えるうえで重要な遺伝的分類です。ただし、ナショナルと呼ばれるカカオにも幅があります。純系ナショナルから、ナショナルハイブリッド、さらに多様なナショナルハイブリッドまで含まれ、同じ名前でも一律の香りや形状になるわけではありません。

ママノの講義資料では、アリバカカオの多様性を、純系ナショナル、ナショナルハイブリッド、野生カカオなどを含むものとして整理しています。現地では、遺伝的な背景だけでなく、標高、気候、木陰、収穫の状態、発酵と乾燥の組み合わせがロットの香りをつくります。

エクアドル・ナポ県でキチュアの人が管理するチャクラのカカオ畑
ナポ県のキチュアの人が管理するチャクラ。系統名だけでなく、カカオが育つ環境もロットの個性に関わります。

CCN51と混同しないための確認点

CCN51は、ナショナルとは別の栽培品種です。アリバ、ナショナル、CCN51を同じ種類の言葉として並べると、原料の説明が曖昧になります。アリバは香りや産地と結びついた呼び名、ナショナルは遺伝的な分類、CCN51は栽培品種として区別して確認します。

原料を選ぶときは、商品名の「アリバ」だけで判断せず、ナショナル系統を中心にしているのか、CCN51を含むロットか、どの地域で育ち、どのように発酵・乾燥されたかを確認します。ママノでは、WINAK組合とカカオの系統とロットを確認し、CCN51を混ぜない方針で品質管理をしています。

ここで大切なのは、アリバと表示されたすべてのカカオをナショナルと断定しないことです。必要な情報を生産者組織や仕入先に確認して初めて、用途に合う原料を選べます。

ママノのアマゾンアリバの栽培・発酵・品質管理

ママノが扱うアマゾンアリバは、エクアドル・ナポ県でWINAK組合の生産者が管理する、ナショナル系統を中心としたロットです。カカオは、カカオだけが並ぶ畑ではなく、バナナや果樹、樹木などが育つチャクラの中にあります。アグロフォレストリーの一般論とアマゾンチャクラの違いは、カカオのアグロフォレストリーとはで詳しく紹介しています。

WINAK組合のアマゾンアリバそのものの産地、ロット、業務用のご案内は、アマゾンアリバカカオ(ナショナル)で紹介しています。このページは、特定のロットの説明ではなく、アリバ、ナショナル、CCN51という言葉を区別するための解説です。

香りは栽培段階だけで決まりません。収穫後の発酵、乾燥、選別、輸送、焙煎の工程を経て、初めてロットの特徴が見えてきます。ママノでは、現地の組合と収穫・発酵乾燥の状態を確認し、品質管理を続けています。チョコレートになるまでの工程は、カカオからチョコレートができるまででご覧いただけます。

エクアドル・ナポ県のチャクラでカカオポッドを開ける生産者と江沢コータロー
ナポ県のチャクラでカカオポッドを開け、収穫した実の状態を確認する場面。
木箱で発酵させるカカオ豆
発酵は、栽培地や系統と同じく、香りと使い方を考えるために確認する工程です。

業務用で確認する項目

業務用のカカオ豆やチョコレートを選ぶときは、「アリバ」という言葉だけで決めず、次の項目を確認すると、商品づくりに必要な比較ができます。

  • 産地と生産者組織を確認できるか
  • ナショナル系統、CCN51など、原料の説明が整理されているか
  • 発酵・乾燥・選別の方法と、ロットごとの状態を確認できるか
  • 香り、粒の大きさ、用途、必要量に合うか
  • 継続供給、サンプル、取引条件を相談できるか

菓子、飲食、食品製造の用途に合わせて、業務用カカオ豆・チョコレートの比較やサンプルについて個別にご案内します。

エクアドル産チョコレートを味わうオンラインショップを見る 店舗・製造で使う業務用取引を見る 原料を比較するサンプルを申し込む

お問い合わせ

アマゾンチャクラ農法

森林伐採、気候変動の救世主と注目されるアマゾンチャクラとは、伝統的なアグロフォレストリー(森林農業)です。エクアドル・ナポ県の先住民キチュア族が1ヘクタールに100種以上の植物を栽培しています。2023年に国連食糧農業機関(FAO)より世界農業遺産に認定。

アマゾンチャクラとは?