サモラチンチペの古代のカカオ3種紹介セミナー|エクアドル現地と繋いで実施(2026年6月13日セミナー動画)
動画の章立て
時刻を押すと、その場面から再生されます。
- 0:00 始まりと出演者の紹介
- 3:30 コンドル地域の野生カカオの木
- 7:56 実を収穫してカットテスト
- 16:16 5500年前から使われたカカオ
- 20:24 地図で見る3産地の位置
- 22:31 チンチペ・コンドル・パランダの豆
- 33:02 3産地の香りの違い
- 38:13 ヤチャクの保全の取り組み
- 40:45 質疑応答:保全のきっかけ
- 44:29 CCN51との違いと脂肪分
- 51:27 少量発酵の工夫
- 1:01:07 発酵所と乾燥の様子
- 1:07:25 割らずに白い豆を見分けるには
- 1:14:43 遺伝子分析とテオブロミン比
セミナーの内容
2026年6月13日のセミナーは、エクアドル南部サモラチンチペのコンドル地域の森から、ヤチャクのカルロスさんとマルタさんが中継でつなぎました。通訳を介して、野生のカカオの木を映しながら実を割り、3産地の発酵乾燥済みの豆を比べ、後半は質疑応答にあてました。
標高1100mの森で実を割る
中継した場所は標高1100m前後で、近くの生産者の農園は1300m、カカオが実る地域は最大1600mまであります。映した木は高さ25mほど、研究者の見立てで樹齢150年ほどで、実が40個ほどついていました。高い位置の実は6mの脚立に棒をつけ、15mほどの高さまで届かせて収穫します。
割った実の多くは白い豆で、エクアドルの研究所INIAP(エクアドル国立農牧研究所)と共同で調べている41番の木のものです。果肉の糖度は20%を超え、酸味はほとんどありません。別の29番の木の豆は白と薄紫が混じり、種の渋みは5段階で1でした。
3産地の豆の違い
コンドルは野生のカカオの木が最も多く残り、1ヘクタールあたり50〜60本です。農園なら500〜1200本が植わります。パランダは遺跡の周辺で、かつて木が伐られたため樹齢80年ほどの若い木が多く、白い豆の出る割合は10個に1〜2個と低めでした。チンチペは最もペルー寄りで、豆は小さめで形も大きさもばらつきます。香りはパランダがフルーティーでナッツやドライフルーツ、コンドルが花の香り、チンチペがナッツの印象が強いという説明でした。
発酵の日数を6日から5日へ
ヤチャクは2019年からINIAPと生産者組合アソプロマスと組み、3地域の430の生産者と保全と少量発酵に取り組んでいます。収穫が60〜80kgあれば小さな木箱で、10〜20kgしかないときはメッシュで囲って他のカカオの発酵箱の中に入れ、温度が上がるようにしています。以前は6日間の発酵で、江沢は発酵由来の香りが強く出すぎていたと見ており、今年輸入する豆は4日半から5日間の発酵に変えました。
質疑応答
問い:ほかの品種との違いは。答え:CCN51は量とカカオバターを多くとるための改良品種で、野生のカカオは香りが複雑です。3地域で最大25種類ほどの系統が見つかっています。
問い:豆を割らずに白い豆かどうか分かるか。答え:葉や花の軸の赤みである程度は見当がつきますが、受粉で豆の色が決まるため確実ではありません。白い豆の木を増やすなら接ぎ木が向いています。
問い:1本から実はいくつ採れるか。答え:通常は60〜80個で、樹齢200年ほどの木に200個ついていた例がありました。
エクアドル・サモラチンチペ州で5500年前から息づく古代のカカオを、現地のカルロスたちと繋いでリアルタイムで紹介しました。パランダ、コンドル、チンチペ。3産地のカカオ豆の特徴と風味プロファイルを、産地の映像とともに解説したオンラインセミナーです。
開催概要
サモラチンチペの古代のカカオ紹介セミナー エクアドル現地と繋いで実施
日時:2026年6月13日(土)
日本時間:朝7:00 スタート
エクアドル時間:6月12日(金)午後5:00(UTC-5)
形式:オンライン(google meet)
サモラチンチペは、エクアドル南東部のアマゾン山岳地帯に位置する州です。パランダ近郊のサンタアナ・ラ・フロリダ遺跡では5500年以上前のカカオ使用痕跡が確認されており、現在もその地域の森に古代のカカオが息づいています。
今回のセミナーでは、このカカオを発見・保全しているヤチャク・チョコレートのカルロスとマルタに現地から参加してもらいます。豆の映像とともに、産地ごとの香りや発酵の違いを解説してもらいました。
ビーントゥバーメーカー、ショコラティエ、パティシエの方々に向けて、素材としてのポテンシャルを直接感じていただける場にしたいと考えています。
セミナーで話す内容
パランダ・コンドル・チンチペ 3産地の紹介
各産地の標高・地形・樹齢と、豆の色・大きさ・白色アーモンド比率の違い。産地ごとに明確に異なる個性を、カットテストの映像とともに紹介します。
官能プロファイルと風味の解説
プロフェッショナルテイスターによる2024年収穫の評価と、ママノによる2026年産サンプル評価をもとに、3産地の風味の方向性と素材としてのポテンシャルを解説します。
発酵・乾燥工程の現状と改善の取り組み
2026年産サンプルで確認された課題と、ヤチャクとママノが共同で進めているポストハーベスト改善の内容。2026年秋に届く豆への期待値についても話します。
こんな方におすすめです
サモラチンチペの野生カカオのサンプル豆を検討しているビーントゥバーメーカー、ショコラティエ、パティシエの方
カカオの起源や歴史に興味がある方
現地の生産者と直接繋がれる機会を求めている方
3産地のカカオについて
パランダ、コンドル、チンチペの3地域には、樹齢80年から300年とも推定される野生カカオの木が今も点在しています。遺伝的改良を一切受けていない純粋な野生種で、現存する個体は約6000本と推定されています。
2026年産 3産地カットテスト。産地ごとに豆の色・大きさ・断面が明確に異なる。
パランダ
香り:ナッツ、フルーティ
苦味:低い
渋み:低い
フルーツ クリーミーなチョコレート ナッツ レーズン
コンドル
香り:フローラル
苦味:中程度
渋み:低い
野生の花 ライム 赤い果実 蜂蜜
チンチペ
香り:ドライフルーツ
苦味:低い
渋み:低い
パネラ(未精製黒糖) アーモンド ドライフルーツ 胡椒のスパイス
3産地についての詳しい情報は、こちらのブログ記事でもご確認いただけます。
現地から参加するヤチャク・チョコレートについて
ヤチャク・アソプロマスのメンバーと発酵乾燥センター
「YACHAK」とはアマゾンの賢人を意味するキチュア語。エクアドル人夫妻のCarlos BermeoとMartha Litumaが2020年に立ち上げたチョコレートブランドです。
現地の生産者組合ASOPROMASと連携し、Zamora・Mayo Chinchipe流域10コミュニティの古木を1本1本調査・番号管理しながら保全活動を続けています。
今回のセミナーでは、カルロスとマルタに現地の発酵センターやカカオの古木の映像を見せてもらいながら、この稀有なカカオについて直接話を聞きました。
サンプル豆のご案内
セミナー参加と合わせて、サモラチンチペのカカオ豆のサンプルをご希望の方にはお届けすることも可能です。パランダ・コンドル・チンチペの各産地それぞれご用意しています。
2026年産サンプルはポストハーベスト改善の途中段階のものですが、まずこの素材のポテンシャルをご確認いただければと思います。2026年秋に届く本発注分は品質が向上する見込みです。
サンプルをご希望の方も、こちらの申し込みフォームよりご連絡ください。
現在のサンプル在庫について
現在、サンプル豆の在庫は切れています。2026年秋の輸入後に順次発送いたします。お申し込みフォームよりご連絡いただいた方には、入荷次第ご連絡します。
フレッシュカカオ豆。紫からピンクへのグラデーションが見える。
ポッドの断面。紫・白・ベージュと豆の色が多様で、遺伝的多様性を示している。