#5 世界初!?カカオ焙煎大会がはじまる!ゲスト:Japan Cacao Roasting Championship・日本ビーントゥバー協会代表 中野さん 【2026年8月5日配信】
日本で初めて開催されるカカオ焙煎の競技会「Japan Cacao Roasting Championship」について、日本ビーントゥバー協会、カカオごとの中野由香理さんに伺いました。
同じカカオ豆でも、焙煎によって香りや味わいは大きく変わります。予選と決勝の流れ、評価基準、決勝で使う焙煎機、そして大会が目指すカカオ焙煎文化について話します。
今回のテーマ
カカオの個性をどう引き出すか。焙煎に向き合う方、ビーントゥバーチョコレートに関心のある方に聴いていただきたい回です。
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今回の内容
00:00 オープニング
00:40 中野由佳里さんと大会の紹介
02:06 予選と決勝の流れ
03:01 日本ビーントゥバー協会について
04:01 大会公式サイトと参加ガイド
05:58 大会のコンセプト
06:31 大会立ち上げの背景
09:55 参加できる人と焙煎環境
13:07 決勝30分の時間制限
15:16 決勝の参加人数と進行
16:02 予選と決勝で異なる条件
17:54 ライブ焙煎で問われる技術
18:25 決勝で使うカカオ豆と選別
19:17 審査方法と評価基準
21:02 焙煎がチョコレートにもたらす違い
24:26 焙煎の総合完成度とは
26:30 生豆、発酵、品種の理解
27:29 同じ焙煎機でも生まれる差
30:08 参加者へのメッセージ
タイムスタンプ付き発言録
00:00 オープニングと中野さんの紹介
00:00:00江沢コータロー
こんにちは。ママノチョコレートの江沢コータローです。
今日は、日本ビーントゥバー協会と、ご自身のブランド「カカオごと」を福岡で運営されている中野さんにお越しいただきました。今年11月に日本初のカカオ焙煎大会が行われるということで、その大会について伺います。
まず、どのような大会なのか、簡単な自己紹介とあわせて教えていただけますか。
00:00:40中野
こんにちは。日本ビーントゥバー協会と「カカオごと」の代表を務める中野です。
今回は、世界でも類を見ない、カカオの焙煎に焦点を当てた日本初の競技会を行うことになりました。同じカカオ豆でも、焙煎によって香りや味わいは大きく変わります。その面白さを、多くの方に知っていただきたいと考えています。
予選は9月に行い、勝ち抜いた方には11月21日、京都コーヒー&チョコレートフェスティバルの会場で行うライブ決勝に進んでいただきます。
00:02:38中野
少しマニアックな大会ですが、その奥深さこそが、私たちがカカオに惹かれている理由でもあります。ぜひ多くの方に感じていただきたいです。
03:00 日本ビーントゥバー協会について
00:03:00江沢コータロー
日本ビーントゥバー協会は、現在22社が参加されているのですね。小さなメーカーから、ママノのような輸入会社・メーカーまで、多様な事業者が参加されていると思います。
大会の構想は、協会の中でいつ頃から話されていたのでしょうか。
00:03:25中野
5月頃に、協会の中で「やりたい、やります」という話をしました。
今回は協会の中だけでなく、全国の方に知っていただき、参加していただきたいと考えています。そのため、概要はホームページを公開した段階で、広くお知らせする形にしました。
03:55 大会公式サイトと参加ガイド
00:04:41中野
大会公式サイトは、cacaoroasting.comです。Instagramでも情報を発信しています。
05:57 大会のコンセプト
00:05:57江沢コータロー
大会のコンセプトは、「コーヒー焙煎競技の文化をカカオへ」です。
近年、ビーントゥバーやクラフトチョコレートの世界では、カカオの品種、発酵、テロワールへの理解が深まり、焙煎が味を決定づける重要な工程として注目されています。
本大会は、World Coffee Roasting Championshipの形式を参考に、原料理解、焙煎設計、熱のコントロール、官能評価、プレゼンテーションを総合的に評価し、カカオ焙煎という新しい技術文化を日本に定着させることを目的としています。
06:31 大会立ち上げの背景
00:06:33江沢コータロー
大会は、どのような思いから立ち上がったのでしょうか。
00:06:40中野
京都コーヒー&チョコレートフェスティバルは、年に2回、京都で開催されています。春には舞鶴の赤れんがパークでも行われ、私も参加しました。
イベント後の懇親会で、コーヒーの方から「カカオの焙煎大会はないのですか」と聞かれました。完成したチョコレートの大会はありますが、焙煎だけに焦点を当てた大会はありませんでした。
そこで、興味を持ってくださった方々とチームを組み、カカオでもやってみようという話になりました。この構想が出たのは、今年4月です。
00:08:45中野
「やりたい」という熱意があるときに形にしないと、タイミングを逃してしまいます。
スペシャルティコーヒーの業界は、カカオ業界より10年先を進んでいるとも言われます。先を行くコーヒー業界から学ばせていただこうという思いで始めました。
09:55 参加できる人と焙煎環境
00:09:55江沢コータロー
参加できるのは、会社やブランドに限らず、個人も含まれるのでしょうか。どのような焙煎をすると評価されるのかも、参加ガイドに載っていますか。
00:10:15中野
条件は、カカオを焙煎できる環境があることです。メーカーではコンベクションオーブンやコーヒー焙煎用のロースターを使うこともありますし、個人の方がフライパンで挑戦することもできます。
フライパンでの温度管理は簡単ではありませんが、やり方次第では素晴らしいものができるかもしれません。
00:11:02中野
コーヒー業界では、個人の方が決勝に進むこともあるそうです。焙煎を突き詰めることが好きな方、研究が好きな方、面白そうだと感じる方であれば、誰でも参加できます。
カカオ豆をよく知ることは、よい焙煎につながります。大会が、カカオについて学ぶ機会にもなればと思います。
00:11:59江沢コータロー
個人の方でも、大手チョコレートメーカーに勤める方でも参加できる。所属を出すかどうかも、それぞれが選べるということですね。
00:12:09中野
そのとおりです。挑戦していただくのは、個人としての技術です。
00:12:37中野
通常のメーカーにとっては、配布される1キロのカカオ豆は少ないと感じるかもしれません。
ただ、同じ条件の限られた量の中で、どうよい焙煎をつくるかも大会のポイントです。
13:07 決勝30分の時間制限
00:13:20中野
決勝には30分の時間制限があります。普段の焙煎量が多い方は、時間が足りないのではないかと感じるかもしれません。
ただし、決勝で使うYOSANO ROASTERの焙煎機の特徴と投入量を考慮し、30分で行える設計にしています。質問には個別にお答えし、ルールブックにも追記しています。
00:15:00江沢コータロー
予熱が終わった段階で30分が始まるのですね。参加者が予熱温度を運営側へ伝え、予熱完了後にスタートするという流れですね。
15:16 決勝の参加人数と進行
00:15:16江沢コータロー
決勝には、予選参加者の中から何人が選ばれるのでしょうか。
00:15:21中野
最大6人です。
16:02 予選と決勝で異なる条件
00:16:08中野
予選と決勝では、使うカカオ豆が変わります。
00:16:11江沢コータロー
予選ではソロモンのカカオ豆を使い、決勝では豆も焙煎機も時間も変わる。その条件の中で狙った香りを引き出すことが、カカオ焙煎師の技術になるということですね。
00:16:31中野
それこそが技術だということを、コーヒー業界から学びました。
00:16:44中野
普段、自分のお店や家で落ち着いて焙煎するのとは異なり、ライブ焙煎では多くの方に見られる中で最善のパフォーマンスを出す必要があります。オリンピック選手のような緊張感があります。
00:17:24中野
難しい競技ですが、挑戦する方が増えると面白くなると思います。
17:54 ライブ焙煎で問われる技術
00:17:54江沢コータロー
同じ豆でも、育て手、品種、発酵の状態によって条件は異なります。届いた1キロの中から、どの豆をテストに使うかを見極めるところから始まるのですね。
決勝では、30分の中で豆の選別も行うのでしょうか。
18:25 決勝で使うカカオ豆と選別
00:18:31中野
選別と予熱は、始まる前に終わった状態です。投入してから30分で焙煎を終えます。
焙煎機には最大500グラムしか入らないため、30分あれば十分に焙煎できると考えています。
00:19:00江沢コータロー
決勝で使うカカオ豆は、まだ発表されていないのですか。
00:19:05中野
近日発表します。
19:08 審査方法と評価基準
00:19:08江沢コータロー
大会では、どのように評価されるのでしょうか。最終的には、ヘッドジャッジが判断するのでしょうか。
00:19:52中野
同点など、さまざまな条件が重なった最後の段階で、ヘッドジャッジが決めます。
00:20:05中野
それまでは、細かく設定した点数で順位を決めます。その後、話し合いを行うため、直木賞のような進め方に近いかもしれません。
00:20:39江沢コータロー
評価方法は、Cacao of Excellenceの生豆の評価も参考にされているのですか。
00:20:47中野
はい。評価方法では、Cacao of Excellenceを参考にしています。
21:02 焙煎がチョコレートにもたらす違い
00:21:07中野
焙煎は本当に面白い工程です。チョコレートにすると、コンチングやレシピなどの要素が加わり、ブランドごとの特徴も生まれます。
焙煎だけに焦点を当てることで、カカオ豆そのものへの理解や認識を深められます。
00:22:10中野
焙煎を深く見ることで、チョコレートをつくる工程、商品開発、考え方の見え方も変わってくると思います。
同じカカオ豆を使っていても、その良さをさらに引き出せる焙煎があるかもしれません。私自身にも、そう感じた経験があります。
00:23:43中野
焙煎を通じて豆のことが見えてくると、商品開発にも活かせます。同じ豆を使うつくり手同士が情報交換をするきっかけになる大会にもできたらと思います。
24:26 焙煎の総合完成度とは
00:24:26江沢コータロー
大会では、豆の魅力を引き出す「焙煎の総合完成度」を見ます。
狙いの明確さ、各要素のバランス、複雑さ、クリーンな仕上がり、そして「また食べたい」と思わせる全体の完成度を、審査員が総合的に評価する項目ですね。
00:25:08中野
参加者は、事前に「どのような焙煎にするか」という狙いを提出します。総合完成度では、その狙いとの一致度も見ます。
この項目では、「また食べたいか」というジャッジの主観も入ります。甘味、渋味、豆が持つフレーバーといった個別項目とは異なり、さまざまな要素を含むため、重要度の高い項目です。
26:30 生豆、発酵、品種の理解
00:26:30江沢コータロー
予選と決勝で豆が違うなら、生豆の特徴をどれだけ把握できるかも重要になりますね。
00:26:39中野
選手には、品種や発酵の度合いを公表します。そうした情報を知ったうえで焙煎するかどうかで、結果は変わってきます。
00:27:18中野
そのことを理解しているかどうかも、よい焙煎につながります。
27:29 同じ焙煎機でも生まれる差
00:27:28江沢コータロー
決勝では、同じ遠赤外線の焙煎機と同じ豆を使います。時間制限のある中でどれだけ違いが生まれるかは、とても興味深いですね。
その違いが、チョコレート全体の幅を広げることにもつながるのではないでしょうか。
00:28:01中野
運営チームでも事前審査をしていますが、同じ焙煎機、同じ豆でも、かなり違いが出ることは確認しています。
00:28:42中野
同じプロファイル、温度、時間で進めても、出し入れの手際や外気による温度変化、どの豆をピッキングするかによって結果は変わります。
00:29:26江沢コータロー
予選ではソロモンのカカオ豆で理想の焙煎を追求し、決勝では前日にYOSANO ROASTERで焙煎機の使い方と特徴を学び、翌日に決勝へ臨む流れですね。
00:29:42中野
前日のレクチャーも、決勝会場である京都市勧業館みやこめっせで行います。本番会場でテスト焙煎ができる流れです。
30:04 参加者へのメッセージ
00:30:04江沢コータロー
最後に、参加を考えている方へメッセージをお願いします。
00:30:22中野
この大会は、「これが正しい焙煎だ」と決めるためのものではありません。
同じカカオ豆でも、焙煎によってこれほど違いが生まれることを多くの方に知っていただき、参加者や関係者が、カカオ焙煎の技術と面白さについて情報交換できる機会にしたいと考えています。
初開催でどうなるかは分かりませんが、目指す場所へ向かう第一歩となる競技会にしたいです。
00:31:37江沢コータロー
運営は大変だと思いますが、ぜひ皆さん、参加を申し込んでみてください。
00:31:46中野
興味のある方は、ぜひ参加してください。一緒に、日本のカカオ焙煎文化をつくっていけたらと思います。
00:32:01江沢コータロー
僕も当日、会場で応援します。中野さん、今日はありがとうございました。
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