アリバカカオセミナー エクアドルアマゾンのカカオ発酵乾燥センターから(2024年2月24日セミナー動画)
動画の章立て:2024年 発酵乾燥センターの工程
時刻を押すと、その場面から再生されます。
- 0:00 はじめに:ウィニャック組合とつないで
- 5:13 チャクラ農法と森の中のセンター
- 10:58 収穫後、葉で包み1日置く
- 13:02 コミュニティごとの集荷と記録
- 16:48 ローレル材の発酵箱
- 22:05 箱を移す6日間の発酵
- 24:32 ナショナル種だけを扱う理由
- 27:56 乾燥場の被害と発酵箱の蓋
- 33:55 乾燥の日数と夜の管理
- 37:15 水分計で水分量を測る
- 44:16 カッティングテストと中が白い豆
- 52:34 発酵と乾燥で変わる香り
- 56:07 気温・収穫期・標高
- 1:05:47 質疑応答:風味・箱・温度
- 1:26:21 まとめとあいさつ
発酵・乾燥・品質管理の全体像は「カカオ発酵で香りはどう変わるか。ウィニャック組合の工程と品質管理」にまとめています。
セミナーの内容:発酵乾燥センターの収穫後工程
2024年2月24日のセミナーは、ウィニャック組合の発酵乾燥センターとズームでつなぎ、新しいジェネラルコーディネーターのネルソンさんと、ママノのエクアドル代表のウリさんが現地から案内しました。センターは森に囲まれています。組合のカカオはすべてチャクラ農法による農薬不使用栽培のナショナル種です。
収穫した豆は葉で包んで1日置いてから集荷する
農家さんは朝6時半から7時ごろにチャクラへ出て、良いカカオポッドだけを収穫し、実を割って中身を選別します。取れたばかりの豆は果汁が多いため、きれいなバナナの葉などで包んで1日置き、汁を落としてから出荷します。集荷は組合のメンバーが車でコミュニティの集荷場を回り、1日に10〜15のコミュニティで行われます。
ローレル材の箱を移しながら6日間発酵させる
発酵箱はローレルの木で作られています。ほかのアマゾン在来の木も試しましたが、酸味が強く出たり発酵が遅くなったりしたため、ローレルに落ち着きました。豆の上にバナナの葉と袋をかぶせ、箱には温度を逃がさないための蓋があります。1つ目の箱に2日、その後は1日ごとに箱を移し、今回は6日間の発酵です。日数はお客様の希望で変えられ、4日間や発酵なしの生豆にも対応します。ママノは2023年、テストの結果から5日間の発酵を選びました。
乾燥は最短6日、水分計とカッティングテストで確かめる
いちばん大きな乾燥テントは1週間前の強風で壊れて再建中で、当日は小さいプラスチック製のテントを見せました。豆は天候によって6〜7日ほど乾燥させ、均等に乾くようにこまめに動かし、寒い夜はバナナの葉をかぶせます。水分計で測った値は7.5〜8%で、あと2〜3日で6%前後まで下げる見込みです。カッティングテストの器具は50粒を一度に切れます。前年の発酵度はおおむね90%以上で、カビや虫の被害は見つかりませんでした。検査を通った豆は60kgの袋で出荷されます。
香りは酸っぱさから花、チョコレートへ変わる
発酵中は酸っぱい香りがし、乾燥途中の豆は花のような香りになり、最後はチョコレートに近い香りになります。切った豆のうち中が白い3粒はクリオロ系で、ナッツのような香りがあります。
質疑応答
問い:発酵箱に蓋があるのはなぜですか。答え:発酵では温度を上げて保つことが重要なので、熱が逃げないように蓋をしています。
問い:箱を清潔に保つために何をしていますか。答え:収穫期の前に洗いますが、発酵が始まってからは水で洗いません。箱の内側にいる菌が発酵のスターターになるためです。箱は2〜3年ごとに作り替えます。
問い:発酵の目標温度はありますか。答え:当時(2024年)は49℃前後に達すれば発酵ができた目安でした。目安の温度は年によって違い、いまは45℃を目安にしています。50℃を超えること自体は問題なく、50℃を超えた状態が長く続くと発酵のしすぎになります。雨が多く温度が上がらない時期は、箱を覆って温度を保ちます。
エクアドルナポ県アルチドナに位置する、ウィニャック組合のカカオ発酵乾燥センターとオンラインで繋いで行ったセミナーの録画です。以下のようなことに興味のある方に向けたセミナーです。
- カカオの発酵乾燥プロセスについて興味のある方
- 2024年収穫カカオの品質に興味のある方
- アリバカカオについて興味のある方
開催日:2024年2月24日(土)
前年の収穫期に同じ発酵乾燥センターから配信したセミナー動画はこちら。
動画の章立て:2023年 収穫期の発酵と品質検査
時刻を押すと、その場面から再生されます。
- 0:03 集荷した豆を発酵箱へ
- 1:50 400kgが入る発酵箱
- 4:49 箱を移す5日間の発酵
- 8:06 最終日の目標は45〜49℃
- 9:04 質疑応答:発酵中の匂い
- 14:49 清潔に保つ乾燥テント
- 17:51 乾燥は10〜15日
- 19:56 質疑応答:集荷日の知らせ方
- 24:13 質疑応答:買い取る豆の条件
- 28:22 乾いた豆の音と水分計
- 32:49 カッティングテストで発酵度82%
- 38:48 質疑応答:乾燥中の発酵
- 47:50 好きな品種とママノの豆の構成
- 51:15 生産者の数と組合の誇り
- 1:00:22 買わない豆と締めのあいさつ
セミナーの内容:2023年収穫期の発酵と品質検査
前年の収穫期のセミナーは、収穫が始まって1週間ほどの発酵乾燥センターから、集荷後の発酵、乾燥、品質検査を順に見せました。集荷して計量した豆は、発酵箱のいちばん上の段から入れていきます。1つの箱には400kgのカカオが入り、底の穴から液体が抜けて溜まりすぎないようになっています。
箱を移しながら5日間発酵させ、最後は45〜49℃に達する
収穫直後の豆の温度は20〜23℃ほどです。1つ目の箱に2日間置き、3日目に2段目、4日目に3段目、5日目に右隣の箱へ移します。3日目には30〜38℃ほどまで上がり、5日目の箱で45〜49℃に達するかを見ます。この温度が、お客様が求める発酵状態に達した目安です。1つ目の箱は底に液体が溜まって半分ほど空気が入らず、アルコール発酵になります。箱によって働く菌の種類が変わり、最終日には酢に近い、鼻をつく香りになります。
乾燥は10〜15日、清潔なテントで行う
乾燥テントは日光が入るプラスチック製で、ネズミなどの小動物が入らないよう罠を仕掛け、ごみのない状態を保っています。乾燥初日は20分おきに豆を動かし、均等に乾かします。乾燥は天候しだいで10〜15日かかり、終わった豆は45kg入りの袋で次の場所へ運びます。
水分計とカッティングテストで出荷前に確かめる
ママノチョコレートの仕様では、最終的な水分量を7%前後まで下げます。乾燥7日目の豆は水分計で11%で、あと1〜2日の乾燥が必要でした。カッティングテストでは50粒を一度に半分に切り、発酵度とカビや虫の有無を確かめます。当日は9粒が発酵不十分で、発酵度は82%でした。最低基準は75%で、普段は87〜90%ほどになります。中が白い豆はクリオロ種です。品種ごとに最適な発酵日数があり、その研究が組合の課題です。
質疑応答
問い:集荷日はどう知らせますか。答え:電話、コミュニティへの貼り紙、組合員から選ばれたコーディネーターの声かけの3つを組み合わせています。
問い:買い取る豆の条件は何ですか。答え:黒い豆がないことと、ほかの品種が混ざっていないことです。色と豆の大きさで見分けます。
問い:何人の生産者の豆がママノに届いていますか。答え:特定の家庭からではなく、およそ300の組合員から集めた豆です。江沢によると、ママノで使う豆はナショナル種が約85%、トリニタリオが約10%、クリオロが約5%です。
問い:乾燥の最後の数日で発酵は進みますか。答え:水分が減るとほとんど進みませんが、豆をまとめて寄せると少し進みます。
江沢は最後に、周りが傷んだ豆はウィニャック組合が買わず、地元の仲買人を通じて一般的なチョコレートに回ること、組合はきれいな豆をその分高い価格で買っていることを補足しました。