メリポナとは。中南米に74種いるハリナシバチと、その蜂蜜

メリポナとは。中南米に74種いるハリナシバチと、その蜂蜜

メリポナとは、針が退化して刺さない蜂「ハリナシバチ」のなかの、ひとつの属です。学名は Melipona。中南米を中心に74種が知られています。ママノがエクアドル・アマゾンのナポ県から仕入れている4種の蜂蜜のうち、3種がこのメリポナ属です。この記事では、メリポナがハリナシバチのなかでどんな位置にいるのか、そして3種をどう見分けるのかを、現地で撮影した写真とともに紹介します。

メリポナは、ハリナシバチのなかのひとつの属

ハリナシバチは、生物の分類でいうとハリナシバチ族(Meliponini)というまとまりです。この族には58属552種が含まれます。メリポナ属(Melipona Illiger, 1806)は、そのうちのひとつで74種を擁します。

つまり、メリポナはすべてハリナシバチですが、ハリナシバチがすべてメリポナというわけではありません。ママノが扱うもう1種、テトラゴニスカ・アングスチュラはテトラゴニスカ属(Tetragoniscaで、こちらは4種しか知られていない小さな属です。

ミツバチは11種、ハリナシバチは552種

数字を並べると、ハリナシバチの多様さがはっきりします。

グループ 知られている種数
ハリナシバチ族(Meliponini) 552種(58属)
 うちメリポナ属 74種
 うちテトラゴニスカ属 4種
ミツバチ属(Apis) 約11種
マルハナバチ 約250種

私たちが「ハチミツのハチ」と聞いて思い浮かべるミツバチは、世界にわずか11種ほどしかいません。ハリナシバチはその50倍の種類がいて、花粉かごを持つハナバチのなかで最も種類が多く、最も多様なグループです。

しかも、まだ数え終わっていません。エクアドルのヤスニ国立公園で行われた調査では、記録された100種のうち43種が新種の可能性があると報告されています。中南米だけで500種を超えるだろうと考えられています。(Grüter C., 2020, Stingless Bees: Their Behaviour, Ecology and Evolution, Springer)

ママノが扱う3種のメリポナ

エクアドル・ナポ県の養蜂家が巣箱で育てている3種です。写真はすべて現地で撮影したものです。巣の入口の形が種ごとにはっきり違うので、慣れると入口を見ただけで見分けがつきます。

メリポナ・グランディスの巣の入口。泥と樹脂でつくられた凹凸のある丸い形
メリポナ・グランディス。泥と樹脂を練り上げた城壁のような丸い形
Melipona grandis

メリポナ・グランディス商品名:ビックビーのごちそう

  • 大きさ約1cm(ママノが扱う4種で最大)
  • 巣の入口泥と樹脂を練り上げた城壁のような丸い形

キャラメルやメイプルのような甘さとコク。4種のなかで西洋ミツバチの蜂蜜に最も近い味わいです。

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メリポナ・イブルネアの巣の内部。蜜を貯める壺状のポットが並ぶ
メリポナ・イブルネア。横に広がりカエルの口のように見える形
Melipona eburnea

メリポナ・イブルネア商品名:かえるのほほえみ

  • 大きさ7〜8mm
  • 巣の入口横に広がりカエルの口のように見える形

硬いプロポリスを巣づくりに使い、それが溶け込んだ蜂蜜は濃厚で酸味があります。開花期でも1つの巣箱から1日およそ10gしか採れません。

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メリポナ・イヨタの巣の内部。黒いお尻のハチと育児房
メリポナ・イヨタ。丸く、茶から灰色の星形
Melipona illota

メリポナ・イヨタ商品名:はちみつグマの宝探し

  • 大きさ約9mm
  • 巣の入口丸く、茶から灰色の星形

黒いお尻が特徴です。梅しそを思わせる香りで、さらさらと水のように流れます。

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同じ族でも属が違う。テトラゴニスカ

テトラゴニスカ・アングスチュラの巣の入口。樹脂でできた細いチューブ状の突起
テトラゴニスカの巣の入口。樹脂を積み上げた細いチューブになっています。

ママノが扱う4種目、テトラゴニスカ・アングスチュラ(Tetragonisca angustula)はメリポナ属ではありません。体長4〜5mmと蚊ほどの大きさで、メリポナ・グランディスの半分もありません。

巣の入口も対照的です。メリポナが泥と樹脂で頑丈な入口をつくるのに対し、テトラゴニスカは樹脂を積み上げた細いチューブを外に伸ばします。現地では「小さな天使(angelita)」と呼ばれ、蜂蜜は強く個性のある香りとはっきりした酸味を持ちます。

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メリポナの蜂蜜はなぜ違う味がするのか

メリポナの蜂蜜は、西洋ミツバチの蜂蜜と比べて水分が多くさらさらとしており、糖度が低く、酸味があります。これは蜜を壺状のポットに貯めるという巣の構造と、熱帯雨林のさまざまな花から蜜を集めることに関係しています。

採れる量もごくわずかです。1つのコロニーから採れる蜂蜜は最大1kg程度で、西洋ミツバチの最大5kgに対しておよそ5分の1だと報告されています。(Rozman AS ほか, 2022, Applied Sciences 12(13), 6370)

エクアドル在来のハリナシバチ蜂蜜については、産地ごとのポリフェノール組成を調べた研究もあります。詳しくはこちらの論文解説をご覧ください。

よくある質問

メリポナとは何ですか?

針が退化して刺さない蜂ハリナシバチのなかの、ひとつの属(グループ)です。学名は Melipona で、1806年に命名されました。中南米を中心に74種が知られています。

ハリナシバチとメリポナは違うものですか?

ハリナシバチのほうが大きなくくりです。ハリナシバチ族(Meliponini)には58属552種が含まれ、メリポナ属はそのうちのひとつです。つまり、メリポナはすべてハリナシバチですが、ハリナシバチがすべてメリポナというわけではありません。

テトラゴニスカもメリポナですか?

違います。テトラゴニスカ(Tetragonisca)は別の属で、4種が知られています。同じハリナシバチ族ですが、メリポナとは属が分かれます。体の大きさも巣の形も違い、テトラゴニスカのほうがはるかに小型です。

ミツバチとどのくらい種類が違いますか?

ミツバチ属(Apis)は世界で約11種です。これに対してハリナシバチ族は552種で、メリポナ属だけでも74種あります。ハリナシバチは、花粉かごを持つハナバチのなかで最も種類が多く多様なグループです。

メリポナの蜂蜜はどんな味ですか?

種によってはっきり違います。ママノが扱う3種でいえば、メリポナ・グランディスはキャラメルやメイプルのような甘さとコク、メリポナ・イブルネアはプロポリスが溶け込んだ濃厚で酸味のある味、メリポナ・イヨタは梅しそを思わせる香りでさらさらとしています。

メリポナの蜂蜜はどこで買えますか?

ママノチョコレートのオンラインショップで、エクアドル・アマゾンのナポ県で採れた3種のメリポナと、テトラゴニスカ1種を販売しています。30mlと250ml(パウチ)をご用意しています。

メリポナの蜂蜜を味わう

3種のメリポナとテトラゴニスカ1種を、非加熱・無濾過のままお届けしています。それぞれ香りも酸味も違うので、食べ比べていただくのがおすすめです。

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※1歳未満の乳児にはちみつを与えないでください。

執筆:江沢コータロー(ママノチョコレート代表)
2013年の創業以来、エクアドル・ナポ県の先住民キチュアの生産者とカカオ・蜂蜜・グアユサの買い付けと品質管理に取り組んでいる。この記事の写真はすべてナポ県の養蜂場で撮影したもの。