12/4エクアドル大使館イベント開催のご報告。

12/4エクアドル大使館イベント開催のご報告。

 

12/4にエクアドル大使館主催のカカオチョコレート展示会が中目黒の大使公邸で開催されました。

出展は7社で、ママノ、パカリ、ノエルベルデ、サンホセ、JICAカカオプラットフォーム、旅行会社ラティーノ、日本酒協会。

ママノのプレゼンテーションの10分では、アマゾン地域のアリバカカオの特徴と、野生のホワイトカカオの特徴についてお話させていただきました。

ブースでは、クーベルチュール3種(アマゾンアリバ71%、100%、バニラカカオゼロ)、カカオニブ、カカオ豆2種を展示してご試食いただきつつ、現地での組合との取り組みや発酵乾燥プロセスの詳細をパネルにしてご紹介しました。

さまざまなショコラティエや作り手の方から
「アマゾンアリバ香りがすごくいい」
「野生クリオロカカオすごい。人生で一番美味しかった」
「アマゾンバニラ入りのクーベルチュール新しい」
といった感想をいただくことができました。

ママノのチョコレートやカカオについて知っていただくとても良い機会になりました。

今回は業界の方限定的でご招待をさせていただきました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!

 

スピーチ全文

こんにちは、ママノチョコレート江沢と申します。当社はエクアドルアマゾン地域専門で事業を行っています。

会社の特徴

会社の特徴としては、創業時から現地メンバーがアマゾンに住んで一緒に活動しており、農業組合や生産者と顔の見える付き合いをしていることで、品質管理が現場で細かく行えていること、新しい価値を現場で発見できることなどがあるかなと思います。

本日ご紹介するのは、クーベルチュール三種類、カカオ豆二種類、カカオニブ二種類です。すべてテーブルでご試食いただけます。

71%チョコドロップス

まず71%を食べていただきながらまずカカオ豆の特徴をご紹介します。

エクアドルアマゾンのアリバカカオがすべてのカカオニブ、クーベルチュールの原材料となっています。

カカオ豆の風味の決定要因は、大きく品種、環境、収穫から発酵乾燥までのプロセスが影響しています。
現地はすべてチャクラ農法という伝統的なアグロフォレストリー農法で栽培されています。

カカオの自然交配があり、ざっくりとアリバナショナル種80%、トリニタリオ系15%、クリオロ5%系程度の比率で混ざっていると考えてます。

発酵時間は年ごとに調整をしておりますが、2023年は五日発酵、2024年収穫分は四日発酵としました。

風味特性は、華やかな香りをベースにバナナ系のトロピカルな香りや赤ワイン系の綺麗な熟成香、スパイス系のニュアンスなどが含まれていて、カカオバター由来のミルキーさや甘みなどを感じていただけるかと思います。

酸味、渋み、苦味は非常に穏やかで、スペシャルティカカオではありますが、ベースカカオとしても使っていただけるような使いやすさがあるのもこの東部アマゾン地区のアリバカカオの特徴かと思います。

ビーントゥバーメーカーの皆さんにこのカカオ豆を使っていただく際は、揮発性の香りが重要な要素を多く占めているため、焙煎は浅めで110度から120度程度で行い、コンチング時間は可能な限り短めで製造していただくと、香りが逃げずにアリバの良さをとじ込めたチョコレート作をしていただけるのではないかと思います。

100%チョコとバニラカカオゼロ

100%チョコはまじりっけなしのチャクラ農法のアリバカカオのみが原料です。もう一つのカカオバニラゼロというのは、砂糖がゼロという意味で、カカオが99.7%、0.3%がアマゾンバニラパウダーという配合になっています。

100%は相当食べやすくて嫌味のない100%チョコレートになっているかなと思います。酸味、渋み、苦味はおだやかで抑えられていて、口どけしていくにつれて華やかな香りを捉えていただけるのではないかと思います。

バニラカカオゼロに使っているアマゾンバニラというのは、まだ日本には入ってきていない品種で、バニラオドラータ種というのが正式名称となります。

クーベルチュールにバニラが入っている場合でも、バニラエッセンスとかバニラペーストが練り込まれていることが多いのですが、このアマゾンバニラだけをパウダーにして練り込んでいますので、バニラの甘い香りが全面に出てきてくれていますし、この状態だとまだ香りが閉じめられている状態なのですが、ジェラートにしたりお菓子作りで使ったりすると、さらに香りが開いていくと思います。

アマゾンバニラの特徴というのは、高いバニリンの含有率と、それから白檀や木の香りが奥の方に複雑性を加えてくれることかなと思います。一方で、バニリン以外の複雑な香り成分は結構繊細な印象の香りが多いので、組み合わせを考えてあげると甘くアマゾンバニラらしい香りが出てきてくれるんじゃないかと思います。

野生クリオロチョコ

次に、もう一種類のカカオである野生のホワイトカカオについてご紹介します。

こちらは現在販売していないのですが、サンプルをお持ちしました。
来年の夏以降に販売を再開できる予定です。

20世帯で共同所有するアマゾン約400haにしか生息していない野生のカカオで、種をカットすると中身がすべて白いホワイトカカオという特殊な豆になります。

香り特性は、ライチ、マスカット、ラベンダー、蜂蜜などを感じていただけると思います。

このカカオは、別でスタートしたNGOママノアマゾニアで、来年から3000本の植樹プロジェクトも実施をする予定です。

現在は年間100kg程度の収穫量ですが、3-5年後には1000kg程度の収穫量になるように、またアマゾンの熱帯林保全と先住民の収入向上を両立できるように、取り組んでいるところです。

たくさん収穫できるようになりましたら、クーベルチュールとしてもご案内をしていきたいと考えています。

カカオニブ

次にカカオニブ2種をご紹介します。
どちらもアマゾンのアリバカカオをベースとしています。

焙煎ありと、50度以下になるように調整した新商品のローカカオニブです。
110-120度の熱風式で焙煎したカカオニブで、食べやすく華やかな香りとフレッシュオリーブのような爽やかな印象もあるかと思います。焼き菓子等お使いいただけたらと思います。