【動画・書き起こし全文公開】アマゾンバニラって何?野生種バニラオドラータをエクアドルの生産者が紹介!
以下、セミナー(ほぼ)全文です。
ママノ江澤
おはようございます。
今日は朝早い時間からご参加いただきましてありがとうございます。
今すでにあのエクアドルの方と中南米エクアドルの方と繋がっています。
ママノは、赤坂のお店でエクアドルの今見えてるウィニャック組合という皆さんと一緒にお仕事をしながらカカオ
チョコレートあとはバニラですねそういったものを扱っているお店になります。
カヤリ組合とも10年ぐらいお付き合いがあるんですけれども、今回はウィニャックの方の農園からこのアマゾンバニラ
バニラオドラータという品種をご紹介させていただこうと思っています。
おそらくあと何年後かにあのこのバニラが収穫できて皆さんのお店とかあとはお手元にお届けできるようになると思うんですけども、その過程もあの楽しんでいただけたらなと思っています。
アマゾンの奥の方の農家さんになるとwi-fiが届かないので今日ご紹介してるのはうちのメンバーのウリさんの隣の家で栽培されているバニラプランテーションになります。
ウィニャックの農家さんの農園っていうのは森のような環境で、今見えてるような環境に加えて、さらに100作物ぐらいいろんな木とか果物とかが植えられてるような農園になりなります。
今日はバニラオドラータ、アマゾンバニラのご紹介ということで見てもらえればと思います。
この近くにカカオも一緒に育っていてアリバカカオやグアユサとかいろんなですねものが育っております。
ママノ ウリ
皆さんこんにちは、私の名前はうりです。今日はエクアドルのアマゾンからママノチョコレートの代表としてお話させていただきます。
ママノから新商品として登場した「アマゾンバニラ」についてご紹介します。
今回私が立っている場所は、チャクラというエコシステムが広がるエリアです。チャクラは一部では「アグリフォレストリー」として知られ、私たちが普段食べる食物やさまざまな生物が育てられています。これは地元のキチュア族の伝統文化の一部でもあります。
チャクラは家族単位で管理され、祖先から伝わる知識を活かしながら、食物や現金収入になるものなどを育てています。
ここで育てられているのは、食物だけでなく、薬の代わりに使われる植物やフルーツなど多種多様です。
私たちのコミュニティは、植物の多様性や自然環境を守ることを大切にしており、チャクラを通じてそれらを維持しつつ、同時に現金作物も育てています。
私が持っているのは、エクアドルのアマゾン原産のバニラ、オドラタッシュです。これは外部から持ち込まれた品種ではなく、本来この地域に自生していたものです。
このバニラオドラータ種は、チャクラの中でも特に育ちやすい環境で、木陰や多雨の中でもよく育つ品種です。
最近10年間で、ここでのバニラ生産が現金作物の一つとして始まったところです。
そして、バニラ生産を早くから始めている地元の組合から、ママノはバニラを供給してもらっています。
私たちが始めてバニラ生産に取り組み始めたのは約1年半前で、10家族から始めて今後さらに増やす予定です。
今、私の近くにいる人々は、マルコさん、ルイスさん、エヴァーさんです。マルコさんはコミュニティの代表で、ルイスさんはバニラ生産に関わっており、エヴァーさんは近所の方で、バニラの生産を学びたいと思って一緒に来てくれました。
これから、彼らからのお話しを聞きます。
ウィニャック組合 マルコ
アマゾンから皆さんへ、こんにちは。私たちがこうしてチャクラやカカオ、バニラについて皆さんに話すことができることはとても嬉しいです。
私たちはカカオの生産からバニラの生産へとシフトしていき、将来的には50家族以上がバニラ生産に関わることを目指しています。この新たな挑戦を通じて、私たちのコミュニティが成長し続けることを期待しています。
まず最初に、皆様この機会に集まっていただき、本当にありがとうございます。私たちは、キチュア族のコミュニティを持っており、そこからバニラを現金作物としてプロジェクトを推進しています。さまざまな情報を集めて、バニラの品質を高める取り組みも進行中です。これから先、私たちのこれらの取り組みや、チャクラでのバニラ生産について、ルイスさんが詳しく説明してくれます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
ウィニャック組合 ルイス
私は、ご紹介いただきましたルイスと申します。私の家族もこのウィニャックの一員で、私自身は基地の一員として、様々なプロデューサーの方々と共に働いています。その経験は非常に興味深いものでした。
今回、私たちは皆様に、バニラの生産プロセスがどのようなものであるかを少しでも理解していただきたいと考えています。
バニラの植え方
まず、バニラをどこに植えるかという場所を見つけることから始めます。チャクラ(農地)内で、海面からどの程度の高さで植えるのが最適かを検討し、その結果を元にバニラの植える場所を決定します。
パイロットプロジェクトでは10の家族が参加しています。各家族がバニラの苗木を受け取る前に、バニラの生産に必要な状況や環境を理解するための教育が行われます。その後、苗木が家族に渡され、生産が始まります。
各家族に渡される苗木は、葉が6つついており、高さは約70cm程度です。強くて健康そうな苗木を選んで各家族に配布します。そして、その苗木から生産がスタートします。
次に、苗木を植えるときに必要なものは有機物です。土に直接植えるのではなく、完全に分解されていない有機物が必要となります。例えば、触っているような葉っぱなどの材料です。
バニラの成長に必要なのは、木の幹を支えとすることです。バニラは、この木に巻きつきながら育つ性質を持っています。
バニラの生育は、6つの葉がついた苗木からスタートします。しかしその後、最初の2つの葉を取り除き、それから成長させます。
そして、取り除いた葉の部分を以下のように植えます。
一番先端の部分は地上に出るように植えます。
各家族は、この方法でバニラを植えるよう指導を受けています。植えた後、近くにある草のようなものを使って、苗木を固定します。
このようにスタートし、実際に最後まで育つまでには約1年半から2年の時間が必要です。
花が咲くまでには2年
その後、花が咲くまでにはさらに1年半から2年がかかります。
適切な環境で育つと、最終的にはこのような花が咲きます。
受粉の方法
そして、受粉は手作業で行います。
バニラの花は、茎の間隔、つまり節のところで咲きます。最初の花が咲いた年は、受粉をせずにそのまま花を咲かせ、強くします。
一つの茎には、通常10から12の花が咲きます。
花が咲いてから、果実が成るまでには約8から9ヶ月かかります。
一つの茎に対して、通常12の花が咲きますが、良いバニラを作るためには、受粉は6つの花だけに限定します。
バニラの実についている印があるのですが、これはプロデューサーや農家が受粉した日時を記録するためのものです。これにより、果実が大きくなりすぎて割れるのを防ぎ、最適な収穫時期を把握することができます。
「一つ前に戻って、花についてもう一度教えてください。花の大きさや受粉する間隔、咲く日数などを教えていただけますか?」
バニラの花のサイズは約4cmで、1日間だけ開花します。この花は、明日咲くかどうかを見極めることができます。
バニラは長く伸びる性質がありますが、適切に成長させるためには、上に伸びた茎を一度下ろしてから再度育て直すという作業も行います。
「もう一つ質問があるのですが、バニラの苗を結びつけている木は何の木なのでしょうか?」
それは"チュコ"の木です。バニラの栽培を始めるには、このチョコの木を土に植えて大きく育て、そこからスタートします。
このチュコの木は空気中の窒素を吸収してバニラに供給することができます。これにより、バニラがより強く育ち、優れた品質のバニラを生産することが可能となります。
バニラとともに育つ様々な植物
バニラの周囲には、カカオの木や、クリスマスの時期に使用されるようなアマゾンシナモンも生育しています。また、近くには"グアユサ茶"という植物もポンポンと存在しています。
さて、ここで一旦、チャクラ(農地)の状況についての説明を終えさせていただきます。15分ほどでアマゾンが真っ暗になるため、この時間を使って質問を受け付けたいと思います。
どなたか質問があれば、チャットに書いていただくか、口頭で聞いていただいても構いません。質問を考えるための時間も提供します。
Q&A
- "受粉についてですが、ミツバチやハチドリを使って受粉させることはありますか?また、キュアリング(熟成)については、自然の方法で行っているのですか、それとも機械を使っていますか?" との2つの質問について教えていただければと思います。
A. ありがとうございます。この素晴らしい質問についてお答えします。ここアマゾンには、針のない蜂が存在します。この蜂は、マダガスカルという、多くのバニラが育てられている土地では見られない種類の蜂です。
この針のない蜂を使って受粉を行うことも可能です。しかし、それを行うと、最大でも総数の10%ほどしか受粉させることができません。これからバニラを販売していく上で、それはあまり効率的ではないため、人手による受粉を行い収穫量を増やしています。
それでも、これらの蜂が味に影響を与えるかもしれないという観点から、蜂による受粉が可能な状況をチャクラの中で増やすような活動も考えられています。それにより、蜂による受粉の収穫量も増加する可能性があります。
また、新しい商品として、この針のない蜂によって作られた蜂蜜の販売も予定しています。
キュアリングについて
キュアリング(熟成)に関してですが、現在私たちはまだバニラの栽培を始めて1年半なので、その部分にまで進行しているわけではありません。
しかし、近隣のカヤリ組合では、すべて自然光を使ったキュアリングを行っています。したがって、我々も自然光を用いたキュアリングの方法を採用するでしょうというのが現時点での計画です。
また、できれば8月のセミナーにて、組合のキュアリングプロセスを見せてもらいながら、バニラのアロマがどのように良い状態になっていくのかを見せてもらえたらと考えています。
バニラを始めた理由
次に、バニラの栽培を始めた理由ですが、大きな一因は、ウィニャックの組合員の家族の現金収入の源となる植物を増やすこと、具体的にはカカオ、グアユサ、バナナなどに追加して、増やすことが重要だと考えたからです。
また、バニラの栽培は新しい取り組みであり、チャクラの中の植物の多様性を増やすことも目指しています。これはウィニャックの大切なフィロソフィーの一部であり、この多様性は気候変動への対策にもつながると考えています。そのため、これらを含めて、ウィニャックのフィロソフィーに従ってバニラの栽培を始めることを決めました。
多様な植物があることのメリット
最後の質問について、バニラやシナモンの木など、多くの木があることで相乗効果があるかどうかということですね。一般的には、植物の多様性が豊かなことが良いと言えます。香りや生育への影響については詳しく調査が必要ですが、おそらく様々な影響があると思われます。
様々な植物が混在することにより、確かに相乗効果があると言えます。例えば、異なる種類の植物が生育していることにより、虫が特定の植物を攻撃することが減少したり、混乱して攻撃できなくなるため、虫によるダメージが減るという効果があります。
また、そのような多様性があるために、農薬を使用せずに虫の被害を抑えることができるという良い効果も期待できます。
チャクラ(畑)の構造上、一番下にはバニラが、少し高い位置にはカカオの木が、さらにその上にはフルーツの木が、そしてそのさらに上には森林が広がっています。これらのレイヤーが存在することで、葉が落ちて有機物となり、植物の養分として利用されるというサイクルが生まれます。
そして、このチャクラというのは、先祖代々続いてきたもので、教科書のようなものを参照するよりも、先祖から受け継がれた知識を元に、特定の木がある位置に存在することで生じる良い効果を理解し活用しています。そのような知識は文化の中に深く刻まれており、それがチャクラの形成に大いに寄与しています。
さまざまな木が一つの共同体に含まれていることにより、フルーツの味などに影響があると思われています。例えば、カカオの木がバナナの近くにあると、カカオの風味が少しバナナ風味になると感じる人もいます。しかし、これは科学的にまだ証明されていません。それでも、近くに様々な木があることが味わいに影響を与えるというのが一般的な見解です。
今日はもう真っ暗になったので、この辺で終わりたいと思います。私自身は、香りが大きく影響しあっていると感じています。皆さんも、カカオやバニラなど、それぞれの香りからスパイシーさやフローラルさを感じてみてください。また、蜂蜜からバニラの香りがするかどうかなど、今後さまざまな視点からご紹介したいと思っています。今日は本当にありがとうございました。
ママノのウリから挨拶
最後に、本日3回セミナーに参加してくださった皆さんに、心から感謝を申し上げたいと思います。これまで何度もセミナーを開催してきましたが、継続的に参加してくださっている方々に深く感謝しています。チャクラから発信する情報に全て参加している方々は、まるでチャクラの専門家のようです。
私たちの哲学や価値観を東京に住んでいる皆さん、また日本全国の皆さんに発信できていることは、とても喜ばしいことです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ウィニャックの代表、マルコさんからも感謝の言葉をお伝えしたいと思います。今日は本当にありがとうございました。先祖代々伝わる先住民の文化を皆さんに発信し、共有できることはとても幸せに感じています。これからも様々な情報を発信していきたいと思っています。どんどん新しいことを学んでいってください。本日は本当にありがとうございました。