ママノ代表コラム:栄養不足の理由 2023/12/21
こんにちは、ママノ江沢です。先日ママノのエクアドル代表のウリが出席したナポ県のセミナーから考えたことがありますので少し書いてみます。
ナポ県は70%弱が先住民キチュア族であり多くが山村地域に住んでいます。まず、ナポ県での調査によると、特に子供たちの栄養状態に大きな問題があるそうです。
- 約31.4%の子供が急性下痢症による栄養不足
- 39.4%が貧血
- 幼児の慢性栄養不足が19.8%
- 貧血による栄養不足が最も多く
- 次いで急性下痢症
- 3番目にタンパク質による栄養不足となっています。
慢性栄養不足の割合が比較的低いのは、家族が直接家庭で消費できるさまざまな種類の作物をチャクラ(農地)で栽培しているためで、自給自足の重要性が会議の中でも強調されていました。
ママノのパートナーであるウィニャック組合の農家は(かなりばらつきがありますが)平均で年間世帯所得が30-50万円程度です。
エクアドルの平均所得と比べるとかなり金銭的に貧しいのですが、私の感覚としても各家族は原生林、二次林、チャクラ(農地)を保有しているため食べるものに困っている印象はありませんでした。
では実際になぜ栄養不足になるのかということを、ウィニャック組合のメンバーと議論したところ、栄養に関する教育が足りていないからというのが最も多い回答でした。季節にもよるが基本的には食べるものはたくさんあるが、栄養教育が不十分のためこういった事態が発生しているのではないかとのことです。
ママノとしては、カカオ、グアユサ、バニラなどの品質向上に共に取り組み、販売することでウィニャックの収入が上がり、農家の収入が安定的に増えることでよりより社会づくりに貢献できると考えていますが、別のアプローチもあってもいいのではないかと考えています。
例えば栄養に関するワークショップの開催や、植樹などです。
最も重要なことが、キチュアの人々が自然と調和した形で営む農業から十分な収入を得られるようにママノとしてお客様と共にサポートしていくこと、であることには変わりはありません。
一方で、直接的に現在存在している課題に対して、寄付のような形でお客さんと共に組合と農家をサポートすることができれば、それはそれで良いアプローチだなと思っています。
去年はカカオのポストハーベストセンターにママノからはインターネット接続費用を寄付しました。年に何度かセミナーを行うため、必要に駆られてのことではありましたが、結果的に直接ポストハーベストセンターから世界の顧客と繋がることができてウィニャック組合からはとても感謝されました。
ママノの事業規模ではまだ多くの寄付はできません。
ワークショップ一回150ドル、植樹1本1ドルなど、直接現地の農家をサポートしたいお客さんがいたら、一緒に取り組んで行けたらいいかなと考えています。