チョコレートとCO2:エクアドルアマゾンのチャクラ農法の気候変動ストップへの貢献(2023年12月16日セミナー動画)
動画の章立て
時刻を押すと、その場面から再生されます。
- 0:00 開会あいさつと講師紹介
- 1:50 トレス教授の講演開始
- 4:50 カーボンクレジットとカーボンニュートラル
- 7:38 炭素は木と土のどこに蓄えられるか
- 9:00 炭素を見積もる10の手順
- 14:18 区画の設定と木・土壌のサンプリング
- 19:14 3つのデータと測定の実際
- 30:43 3組合の炭素貯蔵量の結果
- 34:54 原生林・チャクラ・単一栽培の比較
- 38:53 炭素隔離に重要な10種の樹木
- 40:32 気候変動への適応策と昼夜のCO2
- 45:56 チャクラの文化とバイオエコノミー
- 53:43 世界農業遺産とチャクラ認証
- 1:00:32 質疑:チャクラの意味・樹木・病気
- 1:16:15 質疑:カーボンクレジットと土壌の差
セミナーの内容
講師はエクアドル・アマゾンのイキアム大学のボリエル・トレス教授で、キチュア族が営むチャクラ農法の社会面と環境面を長年研究しています。講演は英語で行い、ママノの現地メンバーのウリが通訳しました。
炭素の量は10段階の手順で見積もった
トレス教授によると、炭素は木の枝葉、幹、根、落ち葉、そして土壌に蓄えられます。調査ではエクアドルの国家森林評価の方法を使い、40m四方の区画を20m四方に区切って、カカオを含むすべての木の目録をつくり、土壌は深さを分けて採取しました。アマゾンの11の先住民族のうち、今回はキチュア族のチャクラを対象にしました。
分析には、炭素量の調査、木の目録、住民への社会経済調査の3つのデータを組み合わせています。木の種類を学名まで特定するのは、種ごとの木材密度からアロメトリー式で炭素量を計算するためです。
チャクラは1ヘクタールあたり140〜206トンの炭素を蓄えていた
調査したのはナポ県の3つの組合の地域です。1ヘクタールあたりの炭素貯蔵量は、サチャヤク組合が182トン、ママノと取引するウィニャック組合が206トン、カヤリ組合が140トンでした。カカオだけを植えた単一栽培の農園は85トンにとどまります。トレス教授は、ウィニャックの206トンをCO2に換算すると758トンになると説明しました。
地上部の炭素はカヤリが42トンと最も多く、教授はカヤリが3組合の中で最も古くからカカオを育て、木が高く育っているためと見ています。一方でカヤリの土壌の炭素は98トンと少なく、質疑では土壌の成り立ちの違いによるとの説明がありました。
炭素を多く蓄える木は、木材や食べものにもなる
チャクラで炭素の隔離に大きく寄与する10種類の樹木を抽出したところ、木材に使うセドレラ・オドラタが7.5%、アボカドが6.4%を占めました。チャクラにはキャッサバ、チョンタヤシ、果樹、バニラも育ち、キャッサバからは酒もつくられます。チャクラはFAOの世界農業遺産に認定されています。
質疑応答
チャクラとはどういう意味か:トレス教授は、生物多様性に配慮しつつ食べものや換金作物を得る、キチュアの暮らしに根づいた仕組みと答えました。ウリは、一つの家族が所有する小さな土地だと補足しました。
農薬を使わずに病気にどう対処するか:単一栽培より同じ木の数が少ないため、病気にかかりにくいとの説明でした。カカオの2つの大きな病気には、病気になった枝を取り除いて対処しています。
この研究はカカオ産業にどう影響するか:トレス教授は、チャクラの炭素量を数値化すればカーボンクレジットにつなげられると述べました。

PDF資料
▶︎ https://drive.google.com/file/d/1GXT1GTZiR-qezoBETTIlUQEA_7U8kwqU/view?usp=sharing
このセミナーでは、エクアドルアマゾンの伝統的なチャクラ農法が、気候危機という現代の最大の課題にどのように対応しているかを紹介したいと思います。スピーカーとしてご参加いただくのは、アマゾン大学のボリエル トレス教授です。
ママノチョコレートが11年に渡り共に歩んでいる、この世界農業遺産にも認定されたユニークな農法が、どのようにCO2排出量削減に貢献しうるのかを解説していただきます。
エクアドルアマゾンの豊かな自然の中で育まれるカカオは、華やかな香りと複雑性を帯びたチョコレートの最重要な原料です。
しかし、この地域のチャクラ農法は、美味しいカカオを提供するだけでなく、環境保護と持続可能性にも大きく貢献しています。
このセミナーでは、チャクラ農法が多様な生態系を維持しながら、効率的なCO2吸収源としての役割を果たす方法を、単一栽培のカカオ農法と比較しながら詳細に説明します。
対象となる方々:
このセミナーは、ショコラティエ、シェフ、bean to barメーカー、環境に配慮したチョコレート生産に関心を持つ企業、持続可能な農業方法を探求する研究者、地球環境の未来に貢献したいと考えるチョコレートを愛するお客さまにとって、貴重な学びの機会を提供します。
チョコレートやカカオの選び方が、未来に大きな影響を与えます。エクアドルアマゾンのカカオが地球の未来にどのような影響を与えるのか、この機会に一緒に考えてみませんか?
開催時刻:2023年12月16日 09:00 AM 大阪、札幌、東京
Title of the Seminar: Addressing the Climate Crisis: The Role of Ecuador Amazon's Traditional Chakra Farming
Description:
In this seminar, we aim to showcase how Ecuador Amazon's traditional Chakra farming is responding to the modern world's greatest challenge - the climate crisis. We are honored to have Professor Boliel Torres from Amazon University as our speaker.
Professor Torres will elucidate how this unique farming method, which Mamano Chocolate has been working with for 11 years and is recognized as a World Agricultural Heritage, contributes to reducing CO2 emissions.
The cacao nurtured in the rich natural environment of the Ecuador Amazon is a crucial ingredient for chocolates with a rich aroma and complex flavors. However, the region's Chakra farming does much more than just provide delicious cacao - it significantly contributes to environmental protection and sustainability.
During the seminar, we will explore how Chakra farming maintains diverse ecosystems while effectively acting as a CO2 sink, in comparison to monoculture cacao farming practices.
Target Audience:
This seminar is designed for chocolatiers, chefs, bean-to-bar makers, companies interested in environmentally conscious chocolate production, researchers exploring sustainable agricultural methods, and chocolate lovers who want to contribute to the future of our planet's environment.
The choices we make in chocolate and cacao can significantly impact our future. Let's explore how the cacao from the Ecuador Amazon can affect the future of our planet in this opportunity.
Event Time: December 16, 2023, 09:00 AM Osaka, Sapporo, Tokyo