当社が扱うエクアドルアマゾン  パソウルクコミュニティ産の野生ホワイトカカオの品種特定に関する現時点での類推と今後の方針について

当社が扱うエクアドルアマゾン パソウルクコミュニティ産の野生ホワイトカカオの品種特定に関する現時点での類推と今後の方針について

こんにちは!ママノ江沢です。

当社では、エクアドルナポ県パソウルクコミュニティの1400haに生息している野生のホワイトカカオを以前より「野生クリオロ」カカオとして販売してまいりました。

カカオの品種の世界は論文ごとに分類が異なったり、遺伝子分析には数十万円かかるため、厳密な特定というのは難しいため、カカオ豆の特徴から野生クリオロと表記してまいりました。

野生クリオロ→野生クラレイ

2025年4月にカカオ豆から遺伝子分析を実施していただいたところ、この地域のカカオが「クラレイ種」に分類される可能性が高いとの結果を得ることができました。

2025年中にはより正確な分析のため60本以上のカカオの木の葉っぱを採取し、エクアドルの研究機関INIAPにて遺伝子分析を実施する予定となっています。そのため、より正確なデータが今後出てくることになりますが、現時点(2025年5月)では、このカカオは「クラレイ種」系として表記を変更していく予定です。

ママノとしては、NGOママノアマゾニア、INIAP研究所、WINAK組合等の協力を得ながら、この野生の宝物のようなカカオを、地域のコミュニティと共に大切に守り、育んでいきたいと思います。

以下、クラレイ種に関する論文等をご紹介いたします。

クラレイ種とは

  • クラレイ種はエクアドル北部からコロンビア北部アマゾン原産
  • クラレイ種はクリオロ種やナショナル種の祖先グループの可能性が高いがまだ十分には証明されていない
  • エクアドル南部サモラ・チンチペ県で採集された「Delg1カカオ」や「EET400」といった品種の親の一つであることも特定されています。
  • 商業利用や交配種の開発にも利用されてきていない。
  • 純粋なクラレイ種はほぼ球形の白いカカオ豆が特徴

参考)
Diversidad genética de cacao en el Ecuador

Genetic identity and origin of BPiura Porcelana^—a fine-flavored traditional variety of cacao (Theoborma cacao) from the Peruvian Amazon

Population genomic analyses of the chocolate tree, Theobroma cacao L., provide insights into its domestication process